2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

コモディティ投信、ETFの問題点 その1

コーヒー豆
コーヒー豆



コモディティクラスのファンドやETFにも容易に購入できる環境ですが、私は全く投資対象としていません。

株式、債券と異なり、保有し続けることで富を生まない(インカムゲインがない)ことと、コモディティを買うことでインフレに加担し、結果的に自らの首を絞めることが主な理由です。

私が投資対象としない理由はもうひとつあり、それは株式などの現物と違って指数そのものに投資できない問題があることです。

以下にて問題点を説明します。


具体例

・初めにコモディティの価格のイメージを記載します。
 原油を例にとるとたとえば

  • 9月限 XX円  →期近

  • 10月限 YY円

  • 11月限 ZZ円


となっています。
(注) 9月限は9月末までに、10月限は10月末までにそれぞれ決済する必要があります。

コモディティの投資対象は(株式のような現物ではなく)先物になります。
指数(インデックス)は原油、とうもろこし、豚肉等指数を構成する原資産のそれぞれの期近の価格から算出されます。

・よって、コモディティ投信は、各資産の期近をロングしておけばよいのですが、月末になると
 1か月先が期限の先物に乗り換える(= ロールオーバー)必要があります。
 (例: 9/末になったら、9月限XX円ロングポジションを決済して、10月限YY円を新たにロングする。
    以後1か月毎に繰り返し)

・ここで問題となるのは、XX円とYY円の大小関係です。

  • XX円 < YY円 の状態をコンタンゴ(順ザヤ)

  • YY円 < XX円 の状態をバックワーデーション(逆ザヤ)


このため、コンタンゴの状態では、ロールオーバー毎に、(YY-XX)円分の損失が発生します。
逆に、バックワーデーションでは、(XX-YY)円分の利益が発生します。

指数は、このロールオーバー時の差額は計算に入れないので、投信の基準価額はインデックスから下へ乖離していきます。

上記については以下のブログで大変わかりやすく書かれています。

参考記事

 コモディティファンドにおける注意点



まとめ コモディティはコンタンゴの影響により指数をアンダーパフォームしていく傾向あり

これらの説明により、実は「コモディティ価格そのものよりロールオーバー時の価格差の影響が大変大きい」ことがわかります。

コンタンゴでなく、バックワーデーションであるときのほうが多い場合、インデックスをアウトパフォームするのでよさそうに感じます。
実は一般的にはコンタンゴの状態になっていることが多いです。
(リーマンショックのような金融危機の時に、バックワーデーションになった場合があります)

そのため、コモディティファンドの基準価額は指数よりもから次第に下方乖離していく可能性が高いです。
よって、株式や債券インデックスファンドと異なり「インデックスファンドではなくなる」ことを理解する必要があります。



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