2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

NISA(日本版ISA)は非課税期間終了時の時価が超重要

電卓の赤いTAXボタン
Tax Calculator and Pen / Dave Dugdale


昨日の記事 MAXISトピックスリスクコントロールETFにNISA向け愛称が付与 にて、NISAの非課税期間は恒久でなく、5年間限定のため、5年後に利益が出ていなければ非課税の恩恵を受けることができません。 と書きました。

コメントにて、以下の質問をいただきました。

ISA口座は、例えば2014年利用分に関して言えば、5年経過後、2019年の非課税投資枠に移管する事ができるのではないでしょうか。
よって現状の予定されている制度ならば、利用額は最大500万円、非課税期間は最大10年だと思うのですが。。。


回答を今回の記事にします。



回答: 5年経過時の時価が重要なので、非課税を継続できるのは最大5年

TAX
Calculating Taxes Up And Down / kenteegardin


NISAで運用した商品を、5年間の非課税期間内に売却せずに(通常の課税口座ではなく)おっしゃる通り、新たな非課税枠に移管(ロールオーバー)してさらに5年間運用できます。

ただし、5年経過時の「非課税期間終了時の時価」が、ロールーオーバーした際の取得原価とみなされることが最大の問題です。


そのため、非課税を継続できる最大期間は(10年間ではなく)5年間となります。


わかりやすい解説

これについてはshimoさんが以下記事にてきれいにまとめられています。
 日本版ISA勉強会に参加しました | セルフ・リライアンスという生き方


上記の通り、値動き次第ではNISA口座で運用した方が、通常の課税口座での運用より不利になる可能性があります。


NISA口座での運用が逆に不利になる場合

具体的な事例は、以下をごらんください。

三井住友トラスト・アセットマネジメント NISA(ニーサ)/日本版ISA非課税期間満了後に投資商品を売却する場合 (PDF)


4パターンの値動きのうち、「期間満了時の価格が買付価格を下回っている場合」がその事例にあたります。

この中で、最後の 買値Aで買った商品が5年経過時にDまで値下がりし、買値より低いHで売却損を出したにも関わらず、(H-D)が課税対象となる場合が最悪です。

いずれにしろ、5年経過時の時価が取得原価となることをよく理解しておく必要があります。

そのために三菱UFJ投信はダウンサイドリスクを抑える商品として、MAXISトピックスリスクコントロール(5%)、MAXISトピックスリスクコントロール(10%)をNISA向けと位置づけているのですね。




おわりに

私は、まだNISAでの運用商品を何にするかは決めていません。
リスクを大きくとると、5年経過時に大きく元本を割れている可能性があり、その場合NISAの恩恵が受けられず悩ましいところです。

制度が固まってきたら検討し、ブログ記事にする予定です。


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 雑誌¥en SPA (エンスパ) 日本版ISAについて取材を受けました

 [2013.06.05追記]
 Yen SPA! (エンスパ) 2013年夏号 NISA特集に掲載されました

 [2013.06.25追記]
 NISA特設サイトが6月28日オープン&213万円分のキャンペーン

 [2013.09.16追記]
 金融庁 NISA口座での公社債・公社債投信の運用は当面不可

 [2013.09.16追記]
 モーニングスターの投信ブロガーへのNISAアンケート記事に掲載

 [2014.06.13追記]
 NISA口座のシステムが不便な証券会社 | NISA勉強会&意見交換会



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COMMENTS

12Comments

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アフロ

No title

なるほど、
小生の稚拙な頭で一生懸命考え、色々と悩みましたが、なんとか理解できました。
非課税を継続できるのは5年間が区切りで、非課税期間終了時の時価が重要なのですね。

となると、解決の糸口は「非課税を継続できる期間を恒久化する事」ではないでしょうか。
解説ありがとうございます。

  • 2013/05/29 (Wed) 09:47
  • REPLY

アキハム

やっぱり10年では?

アキハムです。
5年後のロールオーバー時に、その時点(5年後)の価格が取得原価になったとしても、関係ないのでは?
ロールオーバーした場合、非課税は継続するので、10年後にNISA口座での運用が終了して、課税口座に移すときに、結局その時点(10年後)の価格が取得原価になるわけですよね。
10年後に値下がりしていなければ、問題ないと思います。

kenz

>アキハムさん
10年後に移す場合にも、5年経過時の時価で税金が計算されます。
5年後に時価10万円に値下がりしていたら、10万円で購入したとして税金かかりますので、その値動きの場合は、課税口座での運用の方が得です。
simoさんの記事内の説明をご覧ください。

kenz

>アフロさん
ややこしいルールで、雑誌取材の時も明確なおすすめ運用が提案できず苦労しました。

恒久化も期待できそうですが、決定するまでは5年で損しないことを考えないといけないようです。

アキハム

再び疑問です

アキハムです。
どうしても疑問なので、もう少しお付き合いください。

>10年後に移す場合にも、5年経過時の時価で税金が計算されます。
非課税口座にロールオーバーしているので、この時点で税金はかからないと思うのです。

(2014年)100万円をNISA口座に投資。
(2018年末)50万円に値下がり。損失50万円。税金0円。2019年の非課税枠にロールオーバー。取得価格は50万円になる。
(2023年末)110万円に値上がり。利益は60万円。非課税枠なので税金0円。課税口座に移管。取得価格は110万円になる。
(将来)売却時に、110万円を超えた分が利益となって課税される。

結局、10年後の時価によって、税金が決まる。
どこが間違っているのでしょうか?

kenz

Re: 再び疑問です

>アキハムさん
すみません、これ以上は証券会社等にお問い合わせください。

shimo

横から失礼します

アキハムさんの示されている、
  5年後に値下がり (50万)
→ 6年目の非課税枠に50万円でロールオーバー
→ 10年後に値上がり (110万)
→ ISA口座から課税口座に払い出した後にさらに値上がり(例えば130万)
というケースでは、<130万-課税口座移管時の時価(110万>)に対して税金がかかるはずなので、アキハムさんのおっしゃることが正しいと思います。

リンク頂いた弊記事は、かりに6年目の新規非課税枠にロールオーバーしたとしても、時限措置である以上、値動き次第では(さらに下がった場合には)10年後に損失が確定してしまい、その後に運悪く値上がりしたりすると、ISAを使ったにも関わらず税額が増えるリスクがつきまとう、という意味で書いています。

多少誤解を与えてしまったかもしれませんが、ロールオーバー可能な前半5年間(2014~2018年)の投資枠分については、最大10年(5年×2ターン)は非課税を継続できる、といってよいと思います。

kenz

>shimoさん
ご説明ありがとうございます。
間違ったことをお伝えしたら申し訳ないので、私の見解はコメントしないようにしていました。

たしかに、10年で最終的に利益が出てきたら問題ないようですね。
ただ、将来の値動きはわからないので、やはり5年で損失が出ない可能性が高い方法を模索するべきではないかと思います。

Haito

取得価格

非課税期間終了時に値下がりしていた場合を考えると?な制度ですね。

購入時の価格と非課税期間終了時の時価のいずれか高い方が取得価格になれば
問題ないのですが。

  • 2013/05/30 (Thu) 21:19
  • REPLY

kenz

Re: 取得価格

>Haitoさん
おっしゃる通りです。
場合によっては、NISA口座の方が不利になるような制度は改善して欲しいですね。

pc西谷

非課税は

私のような株主優待と配当金目当ての小額投資家には良い制度ですねnisa
気になるのはSBI証券でNISA口座を作った場合、sbi FXの取引証拠金の担保にできるのかどうかということです・・・

kenz

Re: 非課税は

>pc西谷さん
> 気になるのはSBI証券でNISA口座を作った場合、sbi FXの取引証拠金の担保にできるのかどうかということです・

NISAは完全に別口座なので難しそうですね。
SBI証券に問い合わせされてはいかがでしょうか。