経済成長率が低い日本にはインデックス投資ではなく個別銘柄に投資すべき?

本日の日本経済新聞に、「その国の経済成長率に期待できない時は個別銘柄をに投資すべき」という趣旨の首をかしげたくなる記事がありました。
FP仲間の木戸一郎さんは、「日本の経済成長率は長期的に見ても低くならざるを得ないため、上場投資信託(ETF)などで市場全体を買うという選択はしづらい」といいます。投資に対して高いリターンを求めようとすれば、個別銘柄を選ぶ方が有効だという見方です。
どこまで本気かわかりませんが、勘違いとオーバーコンフィデンス(自身過剰)が入り混じった内容となっています。
以下にまとめます。
その国の期待される経済成長率が低い(高い)からといって株式投資期待リターンも低い(高い)とは限りません。
新興国投資について新興国の経済成長率が高いことが予想される分、市場参加者も期待して資金を投入しています。
現株価もそれを織り込んで高くなっている可能性に注意する必要があることと同じです。
そのため、経済成長率が低いことを理由に、インデックスファンドやETFによる投資がダメだというのは間違いです。
市場全体(インデックス)を買うのがだめなら、個別銘柄への投資は、市場リスクに加え個別リスクという余分なリスク(ブレ)を抱えるだけです。
その国の市場が期待できないと判断する場合、その国の株式自体に投資してはいけません。
市場全体(指数=インデックス)には期待できないのに、自分が個別銘柄を選ぶことで、下落する市場に無関係にその銘柄のリターンが得られると考えるのは、典型的な自信過剰(オーバーコンフィデンス)による間違いです。
もちろん、未来から来た方や、予知能力のある方は例外です。
[2011.10.01追記]
アクティブ投信がインデックスに勝てない本当のワケ?
結局、日本なのか、先進国なのか、新興国投資が有効なのか未来のことはよくわからないので世界分散しましょう(地球上の資本成長に賭けましょう)といういつものインデックスファンド・ETFを使ったインデックス投資をお勧めすることになります。
リターンは、成長率と投資家の期待度の差で決まるため、どの銘柄が指数より上昇するのか、どの国がリターンが高くなるかなど事前にわかるわけがありません。
また、この記事は他にもおかしな内容があります。
住宅ローンを抱えて長期金利上昇が怖いという内容がでてきますが、10年国債とか検討している場合ではありません。
借金しながら投資するなど正気の沙汰ではありません。
キャッシュがあるからこそ、リスク資産を持つことができます。
投資資金分を繰り上げ返済するのが最も経済的に合理的と思います。
資産運用の前にやることチェックリスト (4項目)
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