バンガードETFの重複上場可能性は? | 東証ETF・ETN意見交換会
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フリーETFとして新興国株式ETF上場は? | 東証ETF・ETN意見交換会の続きです。
5月21日に東京証券取引所で行われた「ETF・ETN市場に関する意見交換会」での、バンガードETFの上場可能性についての質疑内容をお伝えします。
Q. バンガードETFは東証に上場しないのか?
(東証の方の回答)
バンガードと話しているが、未だ東証には上場できていない。
理由を直接聞いたわけではないが、東証に上場するために必要な日本語のドキュメント作成や日本語での開示がコストとしてかかるため、そのコストを上回るメリットがないと上場を考えていないのではと考えている。
また、販売チャネル確保のため、日本のマーケットメイカーとの関係構築も必要という障壁もある。
上記はバンガードに限らず、海外の運用会社が日本市場に参入する場合は共通した課題となる。
(日興アセットマネジメント今井さんから補足)
一方、バンガードETFなど米国ETFの重複上場では、証券会社によっては最高税率30%がかかるという問題がある。
そのため、アジア圏の投資家にとっては、米国ETFより、地場組成のETFの方が税率が低く有利な場合がある。
日本ETFの残高の伸びは海外からも注目されている。
Q. バンガードETFの東証上場は当面期待薄
バンガードETFは、バンガード トータル ワールド ストック ETF (VT)やバンガード・スモールキャップETF(VB)、 バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETFなど超低コストのETFです。
ただ、回答をお聞きする限りでは、予想以上に日本語のドキュメント作成や開示コストがかなりの障壁になっています。
海外の運用会社が日本市場に参入する場合は、同様のコストがかかるため、バンガード社以外の海外運用会社であるブラックロック社のETFであるiシェアーズ MSCI ACWI ETFなどの東証上場も難しそうです。
質疑応答はまだありますので、次回の「ETF・ETN市場に関する意見交換会」記事に続きます。
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