インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式等2ファンドの信託財産留保額がゼロに
CATEGORY年金積立

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旧年金積立インデックスシリーズの新興国株式、新興国債券インデックスファンドである
の2ファンドの信託財産留保額(前者は0.3%、後者は0.2%)が約款変更により8月18日以降はゼロになります。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式、インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型)の信託財産留保額がゼロに
証券投資信託約款変更のお知らせ | 日興アセットマネジメント (PDF)
【変更対象ファンド】
追加型証券投資信託 インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式
追加型証券投資信託 インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型)
【変更の理由および内容】
変更対象の各ファンドについて、一部解約時の負担コストを低減し、受益者の利便性向上を図るため、
信託財産留保額を撤廃するべく、信託約款の一部に所要の変更を行ないます。
書面決議日である7月21日に可決され、約款変更日である8月18日から両ファンドの信託財産留保額はゼロになります。
信託財産留保額
投資家がファンドを売却する際に、ファンドに置いていくお金が信託財産留保額です。
信託財産留保額はファンドの純資産にその分組み入れられて、基準価額にも反映されます。
ファンドを売却時にかかる売買手数料等のコストを、同じファンドを保有している他の投資家が負担する形が信託財産留保額ゼロの場合です。
信託財産留保額は信託報酬のような純粋なコストとは異なる部分があり、低コストのファンドが出てきたら乗り換える場合とずっと保有しておきたい場合の立場の違いで、信託財産留保額があった方がいいかない方かいいかは異なります。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式は信託財産留保額をゼロにすることより運用を頑張ってほしい
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式は、MSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとする新興国株式インデックスファンドの中で、信託報酬が年0.55%(税抜)と最も低いです。
にも関わらず、インデックス投資ブロガーで新興国株式ファンドにインデックスファンド海外新興国(エマージング)株式を選んでいる方は大変少なく、eMAXIS新興国株式インデックスや野村インデックスファンド・新興国株式(Funds-i新興国株式)を購入されている方が多いです。
私も新興国株式インデックスファンドは、Funds-i新興国株式インデックスを購入しています。
これは、インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式が信託報酬が低いにも関わらず、実質コストが高めでありリターンも悪いことが大きいです。
以下に、MSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとする新興国株式インデックスファンド4ファンドの信託報酬、実質コスト、過去3年リターン(7月31日を基準)を比較してみました。
ファンド | 信託報酬(税抜)(%) | 実質コスト(税抜)(%) | 3年リターン |
---|---|---|---|
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式 | 0.55% | 0.87% | 57.58% |
野村インデックスファンド・新興国株式(Funds-i新興国株式) | 0.60% | 0.81% | 59.21% |
eMAXIS新興国株式インデックス | 0.60% | 0.84% | 57.87% |
SMT 新興国株式インデックス・オープン | 0.60% | 0.87% | 58.74% |
ここで、リターンはモーニングスターのツールを使って算出しました。分配金を出している場合の課税がゼロと計算されていることにご注意ください。
また、配当込みのベンチマークには4ファンドともリターンが下回っているはずですが、配当込み指数が比較対象に選べず、グラフ比較できませんでした。
ここでは単純にリターンが高いインデックスファンドが良いとしています。(トラッキングエラーがななんたら等はわかった上での比較)
また、リターンは刻々と変わるので、本来は継続したウオッチが必要です。

これより、
- インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式の実質コストが高くリターンも低い。
- Funds-i新興国株式インデックスの実質コストが低く、リターンも一番高い
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式のリターンが低いのは運用にどこが問題があるかわかりませんが、信託財産留保額をゼロにすることよりも、信託報酬の低さを生かしてリターンを他のインデックスファンドに負けないようにすることの方が重要です。
インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式はもともと信託報酬が高めだったのを、2010年2月、2012年2月に段階的に引き下げ、現在の信託報酬0.52%にしています。
投資家のためにコスト削減の努力はしているファンドであり、信託報酬が低い分有利なはずの運用も頑張ってほしいところです。
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