MSCI社がウクライナをスタンドアローン市場に移行(2015年9月より)
CATEGORYフロンティア株式

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MSCI社が今月9月にウクライナをフロンティアマーケット指数からスタンドアローン市場指数に格下げしました。
Consultation: Reclassification of MSCI Ukraine Index (英語版PDF)
スタンドアローン市場指数は、「MSCI社が定める最低限の流動性を満たしていない、外国からの投資規制がある」などフロンティアマーケット指数の基準も満たせていない国が分類されます。
スタンドアローン市場指数について詳細を確認します。
<最終更新日:2022年4月25日>
スタンドアローン市場指数とは
MSCI社の株式指数分類を以下にまとめました。
指数 | 市場 | 投資国 | 指数 | サブ指数 |
---|---|---|---|---|
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI) | 先進国市場 | 日本 | MSCIワールド・インデックス | MSCIジャパンインデックス |
海外先進国 | MSCIコクサイ・インデックス | |||
新興国市場 | MSCI エマージング・マーケット・インデックス | |||
- | フロンティア市場 | MSCI フロンティア・マーケットインデックス | ||
- | スタンドアローン市場 | MSCIスタンドアローン・マーケットインデックス |
スタンドアローン市場指数(MSCI Standalone Market Index)は、MSCI社が規定する先進国市場、新興国市場、フロンティア市場のいずれの基準も満たさない「最低限の流動性を満たしていない、または、基準以上の外国からの投資規制がある」市場指数です。
既に水瀬ケンイチさんも記事にされています。
スタンドアローン市場って何? | 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
上の表の薄桃色部分がスタンドアローン市場になります。
投資家がファンドやETFを通して投資できるのは、フロンティア市場の株式までです。
スタンドアローン市場の株式への投資は事実上できなくなります。
スタンドアローン市場構成国
MARKET CLASSIFICATION | MSCI (英語)
MSCI Jamaica, MSCI Trinidad and Tobago, MSCI Ukraine, MSCI Bosina and Herzegovina, MSCI Botswana, MSCI Ghana, MSCI Zimbabwe, and MSCI Saudi Arabia are currently standalone county indexes and are not included in MSCI Frontier Market indexes.
MSCI社の上記サイト掲載情報から、スタンドアローン市場に分類されている国々は以下になります。
今月9月から新たにウクライナがスタンドアローンに分類されています。(上記サイトの後半に記載)
スタンドアローン市場 | スタンドアローン国 | 指数 |
---|---|---|
MSCIスタンドアローンインデックス | ジャマイカ | MSCI Jamaica |
トリニダード・トバゴ | MSCI Trinidad and Tobago | |
ウクライナ | MSCI Ukraine | |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | MSCI Bosina and Herzegovina | |
ボツワナ | MSCI Botswana | |
ガーナ | MSCI Ghana | |
ジンバブエ | MSCI Zimbabwe | |
サウジアラビア | MSCI Saudi Arabia |
ジンバブエやトリニダード・トバゴ、ボスニア・ヘルツェゴビナなど、世界最貧国の1つであったり、いろんな意味でヒャッハーな国々がスタンドアローン市場に分類されています。
一方、MSCI新興国株式指数にサウジアラビアが2017年に新規組入検討へでお伝えしたように、中東最大の経済国でありながら外国からの投資規制があるためスタンドアローン国に分類されているサウジアラビアも入っています。
今後はギリシャがスタンドアローン市場に分類される可能性も
現在は新興国株式指数であるMSCI エマージング・マーケット・インデックスに入っているギリシャも、最近のデフォルト(債務不履行)危機により、MSCI社がギリシャをスタンドアローン市場に移行させることを検討中です。
MSCI:ギリシャをスタンドアローン分類も-ジンバブエ並み | ブルームバーグ
MSCIの発表資料によると、MSCIギリシャ指数 が「スタンドアローン市場」に分類される可能性がある。
インデックスファンドやETFのベンチマークは、時勢や政治、紛争など状況に応じて構成国や比率も変動していきます。
スタンドアローン市場について気にしていなくても、スタンドアローン国に投資できないだけですが国際分散投資をする立場として、どういった国が投資対象外となっているのか概要を理解しておく必要があると考えています。
関連記事
[2022.04.17追記]
スタンドアローン市場指数(MSCI スタンドアローン・マーケット・インデックス)の情報を最新のものに更新しました。
MSCI スタンドアローン・マーケット・インデックス 構成国の確認
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