イェール大学CFOに学ぶ投資哲学
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「イェール大学CFOに学ぶ投資哲学」 (デイビッド・スウェンセン著)を再読しました。
「投資哲学」と言いながら、中身は 「コストが安い(数少ない)良心的なインデックスファンドを利用し、コア資産に広く分散されたポートフォリオを組むことが重要であること」を実例を豊富に出して説明しています。
イェール大学CFOに学ぶ投資哲学
投資対象となる資産クラス
本で書かれている投資対象とすべきコア資産は以下のみです。
1)米国株式
2)米国以外の先進国株式
3)新興国株式
4)米国証券不動産(REIT)
5)米国長期国債
6)米国TIPS(インフレ連動債)
1)-3)はポートフォリオ全体のリターンを押し上げる資産(国際分散投資)
4) は株式と債券の両方の特性を備えた資産(そこそこのインフレ保護)
5) は金融危機に対する保護(デフレヘッジ)
6)は金融危機とインフレヘッジ
の6コア資産でポートフォリオを組むべきとのこと。
資産配分例
適切な配分例(もちろん人によって比率は変更してよい)として以下が例として書かれていました。
ただ資産配分はあくまで米国人向けなので注意が必要です。
自国株式インデックスに投資すればMSCI-KOKUSAI指数の半分に投資したことになるアメリカがうらやましいです。
関連記事:
先進国株式インデックス 国別構成比(2010年12月末)
不動産を含む株式型が70%と株式重視かつ、1資産は、5-30%以内の条件で適切に分散されていることが重要とのこと。
TIPS等米国のように整備されていないためこの通りには日本の場合難しいですが参考にはなると思います。
非コア資産クラス
逆に非コア資産として、
を上げており、これらをポートフォリオに組み込むことが理にかなっていないこと、余計なリスクを抱えてしまうことを実例をあげて詳しく説明しています。・外債
・社債
・ハイイールド債
・アセットバック証券(ABS)
・ヘッジファンド
まとめ
また、インデックスファンドやETFでも、コストが高いものは避けるべきという主張をこちらも実例を挙げ紹介しています。
ぼったくりファンドの実名をばんばん出していて業界の裏を暴いているような記載もありますが、改めて低コストを意識したファンド選択が重要であることが再認識できました。
分量も多く読み応えありますが、投資に必要なことがわかりやすく書かれており大変お勧めの本です。
良書は何度読み直しても新たな発見があり勉強になります。
関連記事
[2010.12.27追記]
当ブログ経由で購入いただいた本(2010年度)
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