2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

ワイン投資ファンドのヴァンネット(VIN-NET)が自転車操業で金融商品取引業登録取消処分

CATEGORYワイン投資
赤ワイン

日本で唯一のワイン投資ファンドであった「株式会社ヴァンネット(VIN-NET)」が先月12月25日に金融商品取引業者の登録取り消し処分を受けました。

自転車操業+公表していた運用利回りも虚偽だったという理由で、(数ヵ月の営業停止等ではなく)一発登録取り消し処分です。

既に吊られた男さんが詳細な記事を書かれています。
 ワインファンド運営会社のVIN-NET(ヴァンネット)が金融商品取引業者の登録取り消し。そして強く推奨していた方は…| 吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)



ワインファンド「ヴァンネット(VIN-NET)」が自転車操業で金融商品取引業者の登録取り消し

Red Card
Image: FreeDigitalPhotos.net


 株式会社ヴァンネットに対する行政処分について | 関東財務局 

当社は、これまで複数のファンドの取得勧誘を行っているが、過去に償還を迎えたファンドにおいては、別のファンドの資金を流用することにより、実際の運用実績とは異なる高い運用利回りで償還金等を支払っていた。さらに当社は、こうした状況を認識しながら、新たなファンドの取得勧誘を行っていた。


ヴァンネットは、将来値上がりが期待できる匿名組合型のワインファンドを購入し、売却益を配当に充てるという名目で複数のワインファンドを募集していましたが、実際には新規に入金された資金で既存の投資家に払うという典型的な自転車操業でした。

匿名組合型ファンドは、監督官庁がなく、月報発行などの義務もありません。
そのため、資金運用は不透明となりがちで、エビの養殖詐欺や平成電電等過去の悪質な詐欺の温床となっています。

ご参考: 匿名組合とは | ノーロード投資信託徹底ガイド (リンク切れ)

匿名組合型ファンドは、監督官庁がなく、月報発行などの義務もありません。 そのため、資金運用は不透明となりがちで、エビの養殖詐欺や平成電電等過去の悪質な詐欺の温床となっています。



ヴァンネットも自転車操業という残念な、そしてありがちな結末でした。


(1)登録取消し
 関東財務局長(金商)第1577号の登録を取り消す。


業務改善命令による一定期間の営業停止ではなく、金融商品取引業の登録取り消しというまさに一発レッドカードの行政処分です。

アブラハム・プライベートバンクの6ヵ月の業務停止処分などよりはるかに重い処分からも、財務局が「不正又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき」と書くくらい激おこなのがよくわかります。




ヴァンネット(VIN-NET)は事実関係を調査するという内容のプレスリリースを発行

 弊社に対する第二種金融商品取引法の登録取消処分等について | ヴァンネット  (リンク切れ)

ヴァンネットもプレスリリースを出していますが、事実関係を調査し、2016年1月下旬をめどに出資者に説明するという簡単な内容のみで、ヴァンネットのトップページはほとんどのリンクには飛べないようにすでに処理されています。いろいろとアレです。




怪しい投資にひっからないために重要なこと

投資対象が値下がりするなどで投資元本を割れるという以前に、投資先が自転車操業するなどもう投資以前の問題です。

ヴァンネットのような怪しい投資にひっかからないためには、仕組みが透明なものに投資するのが基本です。

こちらも吊られた男さんが明確に指摘されています。
 レセプト債運用会社破綻に思う -この手の話に引っかからないためには何に気をつけるべきか| 吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)

投資家として取るべき防衛策としては、仕組み・制度として担保・保護されるようになっているかが大きなポイントです。


上場株式や有名企業社債に投資するという商品の場合でも、それが本当にそれに投資するようにできているのか・どうやって担保されるのかという仕組みの面に目を向けることも重要でしょう。



これを考えると、インデックスファンドに限らず一般に購入できる公募投資信託は非常に透明な仕組みです。

ワイン投資が歪みを狙う投資かとか、希少価値があるかとか、和牛は儲かるかとか、黒豚がどうだとか、バルチックカレーの出店について考える以前に、仕組みの透明さの確認が先決です。




ワイン投資のヴァンネットを強く推奨していた内藤忍氏は今後どう対応するのか



なお、ワイン投資、特に今回の自転車操業が発覚したヴァンネットを強く推奨し、ワイン投資の書籍も書いている(昔はインデックス投資を推奨していた)内藤忍氏からは一般の投資家にワイン投資を勧めたことについて、ブログやFacebook上でも何の説明もされていません。

「5年間で上昇率80%超も」と書かれたワイン投資本を発行しておきながら、その数値自体が嘘だったワインファンドを推奨した事実に対し、このまま完全スルーなのか、ヴァンネットの1月下旬の説明会開催後あたりになんらかの釈明をするのか今後に注目しています。


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