投資を始めたい方に「どのような投資をしているのか」聞かれたときにお話ししていること
CATEGORYインデックス投資

投資を始めたい方から、「どのような投資をしているのか?」と聞かれることがあります。
コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ等で何度かお話している内容を書いてみます。
銘柄を選ばず、市場に丸ごと投資
投資を始めてみたい方の「どのような投資をしているのか?」との質問に対し、「投資とはどのようなことをやるイメージを持っていますか?」と逆にお聞きすると、
- 何を参考に銘柄選びをすれば良いのかがわからない。
- とは言え、預貯金だけでは資産が増えず将来が不安。
と答えられることが多いです。
その時には、
- 銘柄を「選ぶ」のではなく、数千銘柄の市場丸ごとに投資する。(企業ではなく、市場に投資する。)
- もちろん、日本だけでなく、海外の先進国や新興国にも投資できる。
- 特殊な投資ではなく、我々の国民年金を運用するGPIFも採用している投資手法。
「市場丸ごとに投資といっても、金融機関の窓口に行く必要もなく、ネット証券にて最低月500円の積立からできます」というと驚かれますが、やるやらないは別に、投資を月500円から始められることはもっと知られても良いと思っています。
アセットアロケーションは市場に丸ごと投資するため、「世界経済の箱庭」を持つイメージ
市場に丸ごと投資する場合、当然投資家毎に、どの地域にどの程度の比率で投資するかという資産配分(アセットアロケーション)が重要になってきます。
私の場合は「地球上の世界経済の箱庭」を手持ち資産の株式部分で実現するイメージを持っています。
地球上の投資できる日本、先進国、新興国の国々の経済規模(時価総額)の大きさで領土の面積が決まる「世界経済の地球儀」を考えると、日本株、先進国株、新興国株の比率は約1:8:1です。
もちろん、個人によってこの比率通りにしないといけないわけではなく、好きな比率に各自カスタマイズして心地よい配分比率にするのが長期で投資を続けられると思います。
私も、アセットアロケーションに占める日本株、先進国株、新興国株の比率は、1:4:2 と新興国株式の比率を上げています。
将来のリターンが良くなるかどうかは別で、この配分比率が心地よいと感じているためです。
人によっては、日本株には投資したくないから投資対象から外す、あるいは、もっと新興国株式の比率を増やしたい方もおられると思います。世界の地域別時価総額の概要比率を参考に比率をカスタマイズするのが良いと思います。
雑誌取材でも同様の内容をお話しており、ネットで内容を全文読めます。
低コストのインデックスファンドでポートフォリオを実現する

今では信託報酬の低いインデックスファンドがあり、日本株式は、TOPIXをベンチマークとするインデックスファンドに投資することで、東証一部上場企業1900超の銘柄に一気に投資できます。
先進国株式、新興国株式には例えば以下のニッセイインデックスシリーズやたわらノーロードシリーズのファンドで各地域の時価総額85%以上の銘柄に幅広く投資できます。
- 日本株式: <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド(信託報酬0.29%)
- 先進国株式: <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(信託報酬0.24%)やたわらノーロード 先進国株式(信託報酬0.225%)
- 新興国株式: たわらノーロード 新興国株式(信託報酬0.495%)
また、ベンチマークとして使われる上記先進国株式の指数はMSCI-KOKUSAIインデックス、新興国株式の指数はMSCI エマージング・マーケット・インデックスです。
両MSCI指数とも、指数構成各国の時価総額85%以上に浮動株調整時価総額比で各銘柄に投資しており、ざっくり、大きい規模の会社には大きい比率、小さい規模の会社には小さい比率で投資しています。
また、上記ファンドに投資しても、日本の東証一部上場以外の会社や、海外各国の時価総額下位15%は取りこぼしています。
「世界経済の箱庭」のイメージなので、あまり精密に細部まで作りこむ必要はない(細部にこだわりすぎるとコストが高くなり効率が良くない)と考えています。
ただ細かいところまでこだわりたい方(箱庭の中の小さな家の中の家具まで再現したい方)は世界の中小型株式に幅広く投資できるEXE-iグローバル中小型株式ファンドをアクセントで購入してもよいと思いますが、コストとの兼ね合いは考えるべきでしょう。
私のインデックス投資やアセットアロケーション、資産全体に占めるリスク資産比率など詳細な考えは、以下取材記事がまとまったいますのでよろしければ合わせてご覧ください。
投資自体に興味はなく、資産形成はしたい方で、かつ、どの会社が伸びて、あるいは倒産、衰退するのかはわからずとも市場自体は成長を続けると考える場合には、インデックス投資は悪くない投資方法だと思います。
このような手間のかからない投資方法もあると少しでもイメージがわかっていただければうれしいです。
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