2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

インデックス投資家は長期投資で必ず利益が出ると思っているという誤解。投資に「必ず」は存在しない

隕石衝突

「インデックス投資家は長期投資で必ず利益が出る前提でいて、損することは考えていない」といった発言を見かけることがあります。

私が直接お会いしたことのあるインデックス投資家の方々で「必ず利益が出る」と考えておられる方は一人もおらず、よくある誤解の1つです。
妙な理解不足や誤解を解くべく、以下に私の考えを書きます。



投資に「必ず利益が出る」手法は存在しない



インデックス投資かどうか、長期投資かどうかに無関係に、投資に「必ず利益が出る」手法は残念ながら存在しません。

各種オフ会や、インデックス投資ナイト等のイベントで実際にお会いしたことのある投資家の方々の中で、「必ず利益が出る手法」と考えておられる方は一人もいませんでした。

あくまでも、本質的には期待リターンがプラスな「はず」の株式や債券等の有価証券を保有することで、(投資しないよりは)利益が出ている可能性に期待するという地味なものです。

しかも、インデックス投資の期待リターンは、(時期や国によって異なりますが)株式でも長期でせいぜい年5%程度です。

参考: インデックス投資で人生大逆転は無理だからアクティブ運用が必要? 投資への過剰期待には要注意


インデックス投資の場合、それら有価証券に徹底的に分散投資するために保有コストをできるだけ抑えることを主眼にしているだけで、これにしても将来、必ず利益が出るとは限りません。

「必ず」報われる投資というものがあれば、どれだけ良いことかと思いますが、こればかりは代案がありません。

「資本主義経済は成長する」と仮定するとしても、個人の老後時期はまちまちで、景気のアップダウンは個々のライフスタイルとは無関係です。
投資家の投資をスタートする時期も異なれば、寿命もライフスタイルも異なる以上、投入タイミングも異なり、将来切り崩していく時期も個人ごとに異なります。

長期投資と言っても、人間一人の残り寿命ごときたかが数十年です。
長期と言っても限界があり、死んでからファンドの基準価額が上がっても意味がありません。(お金はあの世に持っていけません。)

老後に入る時期に、リーマンショック級以上の大暴落が来たり、世界大戦が起きたり、巨大不明生物が日本に上陸したり、やたらキラキラしたなんちゃら彗星が地球に大接近する可能性もあります。

長期投資だろうがなんだろうが万能なものではなく、誰にでも勧められるものでないことは言うまでもありません。




だからこそ低コストとアセットアロケーションは重要。だがもちろん必ず利益が出るわけではない

そのため、お会いした投資家の皆さんの興味、関心は、利益が出ない(=投資が報われない)可能性を考慮して、資産全体のリスク資産比率をどうするか、アセットアロケーションをどうするかという点が主になります。
(もしも、長期投資が必ず利益が出るのなら、期待リターンの高い株式100%全力投資で、途中経過は見なければ良いことになり、アセットアロケーションを考える必要はないことになります。)


コスト分リターンが食われてしまうという事実から、同じリスクをとるのならその分のリスクに見合ったリターンが欲しいため、できるだけ低コストの金融商品を使うということは努力でできる範囲です。

 参考: 低コストインデックスファンドの実質コスト完全比較 (2016年10月更新)


その他は、アセットアロケーションを決め、相場下落にも退場しないように、また、将来利益が出なくても生活が詰むことがないように、リスク資産と無リスク資産比率をきっちりと考える必要があります。

インデックス投資の出口戦略 将来のファンド売却についての考え方でお伝えしたように、例えば60歳や65歳といった一度の時期にリスク資産をあるタイミングで一括売却する必要はありません。

投資を中止してファンドを全換金する必要はなく、ファンドを時期をずらして購入しているのと同様、ファンド売却時も一括ではなく、時期をずらして売却(解約)すれば、極端な下落時に全売却することは避けられます。

ただそれでも、長期に株価が下落し続ける場合、上記のように時期をずらして売却しても結果的に損失となる可能性はあります。
繰り返しになりますが、投資に「必ず利益が出る」手法は存在しないのです。

ただし、長期間に渡って世界経済が縮小し、不況が続くような期間は長期投資だろうがなんだろうが投資自体、あるいは無リスクなはずの預金すら無意味な可能性もあります。

 参考: 日本が破綻すると思うなら海外投資や金投資より格闘技を習うべし

いずれにしろ、将来の景気がどうなっても、衣食住は困らないようなリスクを抑えたアセットアロケーション含む資産管理が重要と思います。




それならなぜ投資をしているのかという理由

では「どうしてあなたは資産運用をしているのか?」と思われる方は以下をごらんください。

なぜ資産運用をしているのですか?と聞かれてお答えしていること - インデックス投資日記@川崎

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