東証REIT指数が時価総額加重型から浮動株時価総額加重型に2017年1月から変更へ
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東証REIT指数は、東証が算出、公表している日本REIT(不動産投資信託)市場の代表的な指数(日本円、配当抜き)です。
東証に上場している全REIT銘柄を組み入れた時価総額加重型の日本リート指数であり、日本リートファンドのベンチマークはほとんどが東証REIT指数(配当込み)です。
2017年1月より、現在の時価総額加重型から浮動株時価総額加重型に指数算出方法を変更することになりました。
アウターガイさんが既に記事にされています。
東証が東証REIT指数の算出方式を変更へ | バリュートラスト|価値を生む・未来を託す・投資を歩く
東証REIT指数が時価総額加重型から浮動株時価総額加重型に2017年1月から変更
東証 REIT 指数等の算出要領見直しについて | 東京証券取引所 (PDF)
東証 REIT 指数等は当取引所に上場する REIT(不動産投資信託)を対象とする「時価総額加重型」の指数です。今般、金融商品の対象指標としての利便性向上等を目的として、「浮動株時価総額加重型」への移行を実施します。
2017 年 1 月から各月の最終営業日に実施し、2017 年 5 月の最終営業日に完了することとします。
時価総額と浮動株時価総額の違い
ある銘柄の時価総額とは、単純に「株価×発行済株式数」で計算できます。
時価総額が大きいほど、その銘柄の企業規模も大きいと判断できます。
一方、浮動株時価総額とは、「株価×(発行済株式数- 固定株数)」で計算されます。
(安定株主の保有株分や持ち合い株などの)市場には出てこない固定株数を除いた「市場で実際に取引されている規模」を示しています。
そのため、浮動株時価総額 <= 時価総額 となります。
時価総額加重型の指数の場合、固定株比率が高く、浮動株比率が低い銘柄は市場で取引される規模が小さいにも関わらず多くの株式を保有する必要があり、流動性の観点から、ファンドやETFなど金融商品には浮動株時価総額加重型の方が適していると言われています。
日本株式の代表的な指数であるTOPIX(東証株価指数)も、昔、時価総額加重型から浮動株時価総額加重型に変更されており、MSCIコクサイ・インデックスなど主要な指数は浮動株時価総額加重型のものが多いです。
東証REIT指数も指数設定当初から、浮動株時価総額型にしておけば良かったような気がしますが、当初はそこまで金融商品のベンチマークとして活発に使われることを想定していなかったかも知れません。
市場での取引の影響を考慮し来年1月から5月末にかけて、現在の時価総額加重型から段階的に浮動株時価総額加重型に変更されるとのことで、移行に伴う売買コスト等影響がどれくらい出るか少し気になるところです。
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[2022.05.08追記]
東証REIT指数についてまとめました。
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