2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

日興アセットマネジメント主催のETF投資懇親会参加レポート

CATEGORYETFの仕組み
MidtownTower

3月21日に日興アセットマネジメント主催、東京証券取引所共催の「ETF投資懇親会」に参加しました。

東証上場のETFの「流動性改善や商品多様化、使い勝手向上に向けた個人投資家との意見交換」との趣旨で、ブロガーやツイッタラー9名が参加し、日興アセットマネジメントのETFセンター長の今井さんを中心に情報交換しました。



日興アセットマネジメント主催、東京証券取引所共催のETF投資懇親会

東証上場のETFの売買の9割は機関投資家ということで、個人投資家にも資産運用のツールとして使って貰うためにどうすればよいか個人投資家に意見を聞きたいという姿勢と感じました。

参加されたブロガー、ツイッタラーは以下の皆さんです。


かなりマニアックで細かいお話になることもありましたが、特に印象に残ったQAは以下です。



ETFもインデックスファンド同様に、分配金再投資時のトラッキングエラーを確認できるようにできないか

ETFは、インデックスファンドの運用報告書のような、分配金再投資した場合のベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)が記載されているレポートがありません。
日々の乖離を見ることはできますが、年間での乖離は個人がみられるレポートはないとのことで、水瀬さんより、ETFもインデックスファンドのようなトラッキングエラーが確認できるような運用報告書が欲しいと要望があり、今井さんも検討すると答えられていました。

 参考: 「ETF懇談会」参加レポート | 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)


昨今のインデックスファンドの超低コスト化競争により、インデックスファンドとETFの単純な信託報酬比較では、日本株式クラスを除き、軒並みインデックスファンドの方が低信託報酬という以前との逆転現象が起きています。

 参考:  主要資産クラス毎の信託報酬最安のファンド一覧(2016年12月)

例えばETFがインデックスファンドよりトラッキングエラーが小さいということが運用報告書で分かれば、信託報酬の値の単純比較でなく、良さが認められやすいかもというのが背景ということで、これは私も全く同じ意見です。




全世界株式ETFのような、1本で投資が完結するシンプルなものは作成可能か

スマートベータ指数をベンチマークとするETFや、為替ヘッジ有のETFなど特化した多様なETFが欲しいという意見もあれば、「シンプルでわかりやすく」「使い勝手のよい」それ1本で投資が完結するものは出ないのかというもっともな意見も出ました。

 参考: ETF投資懇談会に参加しました! | スバルママのおかねのはなし


日本を含む全世界株式ETFのようなものが出せないかお聞きしましたが、組成時の制約等があり以前より困難になっているとのことで、VTの国内ETF版のようなものの今後の登場は難しそうでした。

以前、日本を含む世界株式、債券指数ETFの組成は可能か? | 東証ETF・ETN意見交換会にて、今井さんからお聞きした内容(日本と海外で評価基準となるタイミングが異なるので新指数を作る必要有といった技術的な問題がある)とは少し異なっているのが興味深いところです。


私も、ETFはできるだけ幅広く投資できるシンプルなものを求めており、懇親会終了後に、個別に今井さんに、インデックス投資家には広範囲に分散されたETFの方が需要がありそうであることをお伝えしておきました。




ETFの分配金再投資の仕組みを追加してほしい

2012年の日興アセットさんのETF勉強会では、「米国のようにDRIP(分配金再投資)があると、自動で分配金が再投資できることで投資信託同様に手間がかからなくなるが、日本でのDRIP導入可能性は?」という質問があり、東証さんからは「仕組み導入のためのコストがかなりかかるので難しい」とのことでした。

5年後の今も同じ質問が出ましたが、「分配金自動再投資の需要はあり、検討している」との回答でなかなか難しそうです。


ETFは指値購入できるなど、インデックスファンドとは違う特性がありますが、仕組みがやや複雑で理解しにくい面もあり、個人投資家の意見を聞きながら改善していこうとされているのがよくわかります。

虫とり小僧さんが、「マーケットメイカーさんに会いたい」と希望され、今井さんから「企画してみます」と回答があり、今後も同様に勉強会を企画いただけそうです。


日興アセット勉強会は過去にも参加しており、以下の記事にまとめています。ご参考まで。

 上場外債ETF(1677)の毎月分配金が一定額である理由

 上場MSCIコクサイ株が分配金を出した訳 日興アセット勉強会

 上場日経225(ミニ)を現金設定型にした理由 日興アセット勉強会
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