ギリシャの火に学ぶ徹底した分散投資の有効性
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ギリシャの火(=ギリシャ火薬)は、東ローマ帝国にて主に海戦にて使用された火炎放射器のような焼夷兵器です。
他国より進んだ兵器であり、首都コンスタンティノープル (現在のイスタンブール)を複数回守ったと言われています。
「水で消火しようとするとますます燃えた」と言われ、現代でも製法がわからないギリシャの火については、インデックス投資オフ会 「ムサコ会」でも、よく話題に上るネタなので、本記事にて紹介します。
ギリシャの火とは
ギリシア火薬 | Wikipedia
ギリシア火薬とは東ローマ帝国で使用された焼夷兵器である。東ローマ帝国では海戦において典型的にこの兵器が使用され、これは水上に浮いている間ずっと燃え続けて多大な効果を上げた。この兵器は技術的な優位を与え、東ローマ帝国の多くの軍事的勝利において鍵となる役割を果たした。
当時としては、他国よりも進んだ兵器であり、実際に東ローマ帝国を戦いで勝利に導き何度も救っています。
挙句には、ギリシャの火を持っている東ローマ帝国と戦うとやばいということで、他国が東ローマ帝国と戦うのを躊躇する抑制効果も果たしたようです。
ギリシャの火により船が燃えて、水をかけてもより燃え出すなど敵国にはずいぶんと厄介だったようです。
さらに海上だけでなく、城壁にいる敵軍に攻撃できる「携帯型ギリシャの火」も使われ、応用例も広かったようです。

ギリシャの火の製造方法は徹底的に分散され、謎のまま
この兵器の成分と製造工程、およびギリシア火薬の開発は軍機密として慎重に防護された。ギリシア火薬の配合方法が永遠に失われ、推測のままにされているように、秘密保持は厳しいものだった
東ローマ帝国は当然、ギリシャの火の製造方法や使用法についての秘密保持を厳重にし、同盟軍と共に戦う時はギリシャの火を使わないといった制約もつけていたようです。
システム全体についての知識は、1区画のみの秘密を承知している技術者と操作要員により高度に区分化されることで安全化された。
その他、ギリシャの火の製造方法や使用方法を全て知っている人はなく、高度に区分化され、
- 材料だけは知ってるけどどう使うかは知らない人
- 材料は知らないけど、混合率だけは知っている人
- 何度に温めておくか知っているだけで、兵器の使い方は知らない人
- 準備のできたギリシャの火を使えるけど、それ以外は製造方法も事前準備も全く知らない人
といった、いわば分散投資を徹底させました。
そのため、東ローマ帝国の兵隊を捕虜にしても敵軍はギリシャの火の製造方法がわからず、ギリシャの火そのものを入手しても使用法がわからず使えませんでした。
その後、結局、ギリシャの火の製造方法や使用法は後世に伝わらず、現在も謎のままのロストテクノロジーとなっています。
ギリシャの火がどういう原理のものだったのか謎にはなってしまいましたが、機密を守るためにノウハウを技術者や兵隊に分散して安全化させたことは投資の基本である徹底した分散投資と同様に参考になると思います。
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[2021.10.04追記]
ギリシャ人に、ギリシャの火について知っていることがないか聞いてみました。
ギリシャの火の作り方をギリシャ人に聞いてみました
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