インデックス投資は確実に儲かるわけでもリスクが小さいわけでも最強の投資でもないので注意
CATEGORYインデックス投資

インデックス投資は、確実に儲かるわけでもないし、リスクが小さいわけでもないし、最強の投資手法というわけでもないのだけれど、本格的な下落相場で投資をやめてしまわないようにリスクの取りすぎにはほんとご注意を。
— ケンズ (kenz 投資ブロガー ) (@kenz08) 2019年5月9日
楽観的なツイートや威勢の良いブログ記事が増えてくる中、先日ツイッターで何気なくつぶやいたら、いいねやRTを多めにいただいたので補足します。
1.インデックス投資は確実に儲かるわけではない
インデックス投資に限らず、どんな投資でも同じですが、インデックス投資も当然ながら確実に儲かるわけではありません。
長期投資にしても、どんな低コストのインデックスファンドやETFを利用したとしても、個々の投資家の投資タイミング、開始時期、終了時期、投資対象によっては損失となる場合があります。
インデックス投資家は長期投資で必ず利益が出ると思っているという誤解。投資に「必ず」は存在しない
「必ず」報われる投資というものがあれば、どれだけ良いことかと思いますが、こればかりは代案がありません。
「資本主義経済は成長する」と仮定するとしても、個人の老後時期はまちまちで、景気のアップダウンは個々のライフスタイルとは無関係です。
投資家の投資をスタートする時期も異なれば、寿命もライフスタイルも異なる以上、投入タイミングも異なり、将来切り崩していく時期も個人ごとに異なります。
繰り返しになりますが、投資に「必ず利益が出る」手法は存在しないのです。
2.インデックス投資はリスクが小さいわけではない
「インデックス投資ならリスクが小さい」どころか、「安全な投資法」とか「初心者に最適」と書かれていることもありますが、インデックス投資は決してリスクが小さいわけではありません。
ブログで何度か書いていますが、 インデックス投資は、資金を変動の大きい市場に晒す手法であり、市場そのものの変動をもろにうけます。
インデックス投資は決してリスクが少ない投資法ではない、だからこそ重要なこと
言わば日本海の荒波が押し寄せる海岸で、ふんどし一枚で腰に手を当てたまま立っているようなものです。
その市場のリスクをもろに受ける引き換えとして、株式部分は市場自体の期待リターンが5%程度期待できる投資法であり、リスクが小さいという認識は非常に危険です。
主要7資産の過去8年間の年間パフォーマンスからわかる国際分散投資の重要性で紹介した「主要7資産の年間パフォーマンス」を再掲します。

リーマンショックがあった2008年の騰落率(図の中で赤枠で囲った部分)を見ると、日本株式マイナス40.6%、先進国株式マイナス51.6%、新興国株式マイナス62.0%となっています。
ご自分のリスク許容度を上回るリスクを取っていた方はここで損切りするなど投資をやめてしまう人を見てきたので、リスクの把握は本当に重要です。
3.最強の投資手法というわけでもない
当たり前ですが、インデックス投資は毎年トップのリターンは取れません。
(銘柄調査や銘柄売買手数料にかかるコストを増やしてまで)成果が出るかわからないアクティブな行動をとるよりも、インデックス投資はできるだけコストが低くインデックスファンドやETFをホールドして、市場平均からコスト分を引いたリターンを取りに行くだけです。
リターンがベンチマークより高いともてはやされるアクティブファンドと違って超過リターンを取る可能性はありません。
ただ、インデックス投資を長期に行うことで、10年、20年後は高コストの手法よりも低コストであるがゆえに、そこそこのリターンは取れるだろうという、ものすごい地味な手法です。
そのため、リスクを取り過ぎていないか確認を
だからこそ、後で後悔しないように今のように資産配分比率の確認をしておくべきと思っています。
相場好調時こそ、強気になる前に下落時に備えた資産配分比率の確認を
インデックスファンドはリスクが少ないと言う認識だと、知らぬ間にリスク資産が多く、無リスク資産が少なくなっているなど、個人のリスク許容度を超えた強気の資産配分にしてしまい、市場が大きく下落したときに耐えられない場合があります。
資金も順調に増えてくるとつい、リターンにばかり目がいきがちですが、リスクの調整が最優先です。
リーマンショックの頃に、威勢のよかった方々が続々と消えていった人を見ているので、皆さんはこれからも残ってほしく、少しでもリスクの再確認をしていただければうれしいです。
[2020.12.05追記]
マーケットが好調な今、リスクを取り過ぎていないかリスク資産比率の確認を
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