アクティブ投信がインデックスに勝てない本当のワケ?

Questions / bizbuzzmedia
ALL Aboutマネーに内容が痛いコラムがありました。
勘違いする人のいないように、おかしなことが書いてある点を指摘し、インデックス投資について整理します。
元記事: アクティブ投信がインデックスに勝てない本当のワケ
以下のことが主張されています。
- 日本では世界の中でもパッシブ愛好者(=インデックス投資派)の多い国である。
- 一般的に言われている「アクティブファンドの過半は市場平均に勝てない」という事実はウソ。
パッシブの成果が市場平均に対してプラスマイナスゼロであるなら、アクティブの成果もプラスマイナスゼロでないとつじつまが合いません。- ・アクティブファンドの成果もゼロサムだから勝敗率は50%のはず。だから半分の勝てるアクティブファンドを選ぶのが重要。
- 勝てるファンドを選べばいい! 真実を知りましょう。
1.については初耳です。
むしろ日本は投資後進国なので、逆だと思っていました。本当ならぜひ元ソースが知りたいです。
皮肉ではなく、日本人も捨てたもんじゃないと悦に入りたいです。
どう考えてもパッシブ派(インデックス投資派)は現在でも超マイナーで認知されていない手法と考えています。
2.3.の主張は、アクティブファンドとインデックスファンドのコスト差のことを忘れています。
パッシブ全体のリターンは、インデックスファンド全体のコスト分(=A)だけ市場平均よりマイナスになります。
アクティブファンド全体のリターンも、アクティブファンド全体のコスト分(=B)だけ市場平均だけマイナスになります。
ここで一般的に、 A < B です。
よって、最初からインデックスファンドを購入することで、アクティブファンドを選択するより確率的にコスト差分だけ優位に立とうというのがインデックス投資派の立場です。
「アクティブファンドの成果もゼロサムだから勝敗率は50%のはず」という意見はコストを度外視していることがわかります。
繰り返しになりますが、 「志村~、コスト、コスト~」ということです。
4.「勝てるアクティブファンドを選ぶのが重要」という主張も、それを事前にどうやって見つけるのかという問題があります。事前にわかるのであれば私を含め、全投資家がそのファンドに全力投資するに決まっています。
自分だったら、コスト高分の不利を考慮しても、事前にインデックスを上回るリターンを上げるアクティブファンドが選べると思われる方は典型的なオーバーコンフィデンス(自信過剰)による勘違いです。

Screenscrape: Financial Problem Photoshop / purpleslog
投資には常にコストが付きまといます。未来は予測できませんがコストは必ずかかりますので、リターンに確実に影響を与えます。
そのため、コストを低くするインデックス投資は有効とされています。
妙な釣り内容のコラムに惑わされることなく、真実を知りましょう。
[2011.10.01追記] 記事内容に大幅に文章追記しました。
インデックス投資を理解するための6項目
インデックス投資を継続するための5つの心構え
日経新聞記事 「不況を乗り切る家計術」
日経記事 インデックスがだめなら個別銘柄投資へに対する意見
[2011.10.01追記]
基準価格1万円を上回っているファンドが優秀?
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