「どこどこの地域にだけ投資しとけば間違いない」という論調は本当に正しいのか?
CATEGORYインデックス投資

「どこどこの地域にだけ投資しとけば間違いない」とか死亡フラグだから言わないほうがよろし。投資に絶対はありません。
— ケンズ (kenz 投資ブロガー ) (@kenz08) July 21, 2019
少し前にツイッターでつぶやいたら、いいねやRTを多めにいただいたので補足します。
<最終更新日: 2023年1月26日>
リンク等修正しました。
リーマンショック前: これからは新興国の時代であり、先進国は儲からないとの論調
私が投資を始めたばかりの、リーマンショック前の2007年頃は、「これからは人口が増える中国をはじめとする新興国の時代であり、日本、米国などの既に成熟した先進国に投資しても儲からない」と言われていました。
実際、その数年前は中国株のリターンが高く、中国株のアクティブファンドに投資していた友人から基準価額が2倍になったと聞いていました。。新興国株式に幅広く投資できるインデックスファンドなどなかった時代、高コストでもHSBC中国オープンやHSBCインドオープン、BRICsオープンなどに投資しよう的な雰囲気だったことを覚えています。
なお、さすがに中国はバブルではと言う声も上がっていましたが、評論家がなんかしらデータを出してきて異常ではないと語っていた記憶があります。
ただ、その後のリーマンショックでは、新興国は、震源地のはずの米国より株価指数の下落が大きかったことはご存知の通りです。
⇒ 2008年の新興国株式の下落幅は以下を参照ください。
主要7資産の過去8年間の年間パフォーマンスからわかる国際分散投資の重要性
アベノミクス前の2013年頃まで: 日本なんて儲からないから投資しても無駄という論調
その後、暗黒の民主党政権時代、日本株式も長らく低迷が続き、「日本株式に投資しているのはアホ」、「日本株式には投資不要」という論調が多く、中には「海外株式には投資し、日本株はショートして自分用のヘッジファンドを実現する」と語る投資ブロガーも見かけました。
その後の日本株の上昇で、一切忘れ去られていますが、これも直近数年間のデータから作られた論調です。
ヒルズ君という日本株を信用取引でショートし続け、破産してしまった人もいました。
⇒ 日本株をショートしていた億万長者の破産から学ぶこと
現在: 米国株だけ投資しておけばよいとの論調だが。。
現在は、過去何年間の米国株が好調だったこともあり、世界全体に投資する国際分散投資ではなく、米国株だけ投資しておけばいいという論調が多くなっています。
リーマンショック前の中国株が高値圏ではないと評論家が説明していたのと同様、「米国株のこの上昇はおかしくはない」とか、「米国株インデックス投資が最良と証明されている。」とか、「米国株投資は最適解である」など、これでもかとフラグが立てられているのを見かけます。
カン・チュンドさんも、メルマガで本件についてわかりやすく書かれています。
ヒソヒソ呟くように「分散投資はもったいないよ」と言われたら? | カン・チュンドの 投資信託 テッテイ 攻略法 ⇒リンク切れ
私は米国株だけでなく、国際分散投資を行っており、国別としては米国株の比率が一番高いので、もし米国株が大きく下落した場合は全く他人ごとではありません。
参考: 投資を始めたい方に「どのような投資をしているのか」聞かれたときにお話ししていること
こんな風に10年以上前の話を持ち出して堅苦しいことは言いたくないのですが、この「どこどこにだけ投資してれば間違いない」というパターンは、私の場合は、その後にその通りになったことを見たことがなく、むしろ逆指標感が強いです。
投資手法自体は個人の自由ですが、特に投資歴が短く、本格的な下落を経験されていない方には、偏った地域や国への集中投資により、リターンばかりに目が行き、思わぬリスクを取り過ぎていないか今こそ要確認かと思います。
参考:: 相場好調時こそ、強気になる前に下落時に備えた資産配分比率の確認を
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