2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

国内物価連動国債ファンドの1年リターンがいずれもプラス5%超に

CATEGORY日本債券
物価上昇と世界地図

最近のインフレ懸念により、長らく下落が続いていた国内の物価連動国債ファンドの過去1年リターンがいずれも+5%超となっています。



過去1年の物価連動国債ファンドのリターンが上昇に転換し、+5%超に

 インフレ期待で有利な国内債券型 物価連動国債ファンドが堅調 | 日本経済新聞
  

インフレ期待が高まると有利になる金融商品の一つに物価連動国債があり、「全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)」(CPI)の動きに連動して元本と利子が増減する。実際、インフレ懸念が頭をもたげる中、国内債券で運用するファンドを対象に11月末までの1年リターンをランキングすると、上位には物価連動国債型が目立つ。



国内の物価連動国債は、元金額や利払額がCPI(全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数))に連動して増減します。

下の図は、2014年11月の設定来のeMAXIS 国内物価連動国債インデックスの基準価額の推移です。

2014年11月の設定来のeMAXIS 国内物価連動国債インデックスの基準価額の推移のグラフ

物価連動国債ファンドは、デフレの影響で長らく基準価額は右肩下がりが続き、話題に上ることもほとんどありませんでした。
ここのところのインフレ懸念により、過去1年のリターンが急回復しています。

日経記事は2021年12月のものなので、記事内のリターンランキング表はデータが古いです。
そこで、私が国内の物価連動国債ファンド4つについて過去1年、3年のそれぞれのリターンを表にしたものが以下になります。

 ファンド 信託報酬(税抜) リターン
 過去1年 過去3年
 日本物価連動国債ファンド 0.39% +5.75% +3.05%
 東京海上セレクション・物価連動国債(愛称:うんよう博士)0.25% +5.41%+2.80%
 eMAXIS 国内物価連動国債インデックス 0.40% +5.13% +2.29%
 MHAM物価連動国債ファンド(愛称:未来予想)0.40% +5.06%+2.25%


4ファンドとも過去1年リターンは5%を超えており、急激に戻しています。

物価下落に歯止めがかかると長期金利が上昇しやすいが、長期金利上昇は一般の債券と同様に物価連動国債価格の下落要因になる。その一方で、物価の上昇率を予想する期待インフレ率が長期金利を上回ると、物価連動国債価格を押し上げる。



今後の商品値上げなどのインフレに備えてこれら物価連動国債ファンドをポートフォリオに加えても良さそうに思いますが、物価連動国債の価格は、CPIに連動して増減するだけでなく、長期金利の上昇によって、一般の固定利付債券同様に物価連動国債の価格は下落します。

長期金利の上昇が始まって、個人向け国債 変動10年の金利(長期金利×0.66)も上がってきている中、物価連動国債の価格がこのまま上がるのかCPIや長期金利などパラメータが多くて難しいところです。

物価連動国債ファンドの信託報酬も、通常の国内債券インデックスファンドの信託報酬0.12%(税抜)と比較すると信託報酬0.40%前後と割高に感じます。

個人的にはよほどの急激なインフレにならない限り、(インフレに長期的に対応できると言われている)株式への投資の他には、(半年ごとに長期金利×0.66の金利になる)個人向け国債変動10年や、満期1年程度のネットバンクの定期預金で通常のインフレには対応可能と思います。
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