円安の今は外貨に広く分散する投資開始には不適 ただ投資手法は経済的には正しい
CATEGORYインデックス投資

米ドル円が134円台と20年ぶりの円安となる中、資産が円預金のみでは実質的価値は目減りしています。
そんな中、「円安で日本円の価値は目減り 他通貨に分散させる“経済学的に正しい投資方法とは」という記事がありました。
円安の今は円以外の通貨に分散した資産運用を開始するのは最悪のタイミング
円安で日本円の価値は目減り 他通貨に分散させる“経済学的に正しい投資方法”とは | マネーポストWEB
円安とは、円の価値が下がるということ。日本円の、しかも現金だけで資産を持っていても、円安が進めば進むほど、その価値は実質的に目減りしていきます。
先日、米アップル社が発表した最新モデルのMacBook Airの日本での価格が16万円超となっており、高すぎると騒がれていました。
このように日本円を現金や預金で持っているだけでは、たしかに円安になると購買力が低下し実質的な価値は下がってしまいます。
そのために米ドルやユーロなどほかの通貨にも分散した資産運用をすること自体は自然な考え方です。
いまこそ、日本円だけではなく、ほかの通貨にも分散した資産運用を考えるときでしょう
ただし、今まで日本円以外の外貨に投資したことのない方が、ほかの通貨にも分散した資産運用を考えるのは、「いまこそ」ではありません。
水瀬ケンイチさんも既に記事にされています。
円安のいまこそ、通貨分散した資産運用を考える時? | 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
ただ、今から投資を始めるとしても、「円安の時こそ通貨分散の始め時」という理屈は間違っており、本当は「円高の時こそ通貨分散の始め時」なのだという理解のもと、投資を始める方が健全です。
ここ20年の円の価値が最も下がっている今は同じ金額でも米ドルなど外貨を少ししか購入できません。
そのため、日本円以外の他の通貨建ての資産を購入するのは今は最悪のタイミングです。
為替は読めないとはいえ、よりによって過去20年で最も不利な今になって他通貨に投資を開始することはありません。
ただ、全世界株式インデックスファンドを用いて国際分散投資すること自体は”経済的には正しい”
リスクを極力減らしつつ資産を増やせる“経済学的にもっとも正しい投資方法”が「インデックス投資信託(投信)」だ。
「仮に、どこか1社の株価が暴落したとしても、ほかの会社の株が補ってくれるので、個別株に投資するよりもリスクが低いのが投資信託です。『全世界型』といった名前の商品は、こうしたリスク分散を世界規模でしてくれます」
ただ、”経済学的には”各企業の個別リスクを排除した市場に丸ごと投資する、全世界株式インデックスファンドやETFにできるだけ低コストで投資すること自体は正しい投資方法と考えられます。
ご参考: 投資を始めたい方に「どのような投資をしているのか」聞かれたときにお話ししていること
私も全世界株式指数であるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの配当込み指数をベンチマークとするeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに投資しています。
ただ、リスク分散が世界規模でできているといっても、インデックス投資はリスクが小さくはなく、市場リスクをもろに受ける投資法です。
ご参考: インデックス投資は決してリスクが少ない投資法ではない、だからこそ重要なこと
個人が許容できるリスクに抑えるため、リスク資産に対する資金額や比率を抑えることで退場しないように長期投資していく必要があります。
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