J-REITの運用会社が業務停止処分へ |J-REITの利益相反問題には注意
CATEGORY日本REIT

J-REITの運用会社であるエスコンアセットマネジメントが、親会社の利益を優先し、REITに不利になる運用を行ったとして、3ヵ月の業務停止命令が出されるとのことです。
J-REITの運用会社であるエスコンアセットマネジメントに業務停止命令
中部電力系REIT運用会社に業務停止命令 金融庁方針 | 日本経済新聞
金融庁は中部電力系の不動産投資信託(REIT)運用会社、エスコンアセットマネジメント(東京・港)に3カ月間の業務停止命令を出す方針を固めた。本来なら不動産を割安で購入し高い運用利回りを目指すべきなのに、REITに親会社の持つ不動産を高値で買わせるために鑑定会社に高い価格を提示するよう働きかけたという。
エスコンアセットが運用するのは上場REITのエスコンジャパンリート投資法人。エスコンアセットは親会社の日本エスコンがREITに不動産を売却する際、親会社の希望価格を鑑定会社に伝え、より高い価格になるよう働きかけていたという。
エスコンジャパンリート投資法人は、エスコンアセットが運用するJ-REIT(日本の不動産投資信託)です。
(エスコンアセットの親会社である)日本エスコンがREITに不動産を売却する際、親会社の利益が大きくなるようエスコンアセットがREITに不動産を高値で売れるよう鑑定会社に働きかけていたとのこと。
金融庁はエスコンアセットがREITに忠実な運用をしていないとして、3カ月間の業務停止命令を出すことになりました。
本来、REITは不動産をできるだけ安く購入するべきですが、日本の場合は不動産会社の子会社がREITを運用しています。
そのため、親会社の利益が優先され、REITが不利益になりかねない問題点があります。
昔からJ-REITの利益相反問題として懸念されており、J-REITの運用会社は不動産鑑定会社が鑑定した適正な不動産価格で取引する規則にはなっています。
ただ、今回のようにその不動産鑑定会社に高値の価格を出すよう働きかけていては防ぎようがありません。
記事にも書かれていますが、このJ-REITの構造的な問題点である利益相反問題は知っておく必要があります。
ちなみに日本のMSCI株式指数であるMSCIジャパンインデックスにはJ-REITも時価総額比率分入っています。
そのため、私がメインで投資しているeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の日本株式部分にもJ-REITが含まれています。
⇒ご参考: MSCI指数に含まれるREIT比率を調べてみました
個人的にはREITへの投資は時価総額分の投資比率で十分と考えています。
- 関連記事
-
-
J-REITの運用会社が業務停止処分へ |J-REITの利益相反問題には注意 2022/07/17
-
MAXIS Jリート上場投信など東証上場3本のJリートETFが信託報酬引下げへ 2022/06/23
-
東証REIT指数の中身や組入上位10銘柄の構成比率の確認 2021/06/26
-
J-REITがFTSE株式指数に組入れへ(2020年9月より) 2019/10/10
-
東証REIT指数が時価総額加重型から浮動株時価総額加重型に2017年1月から変更へ 2016/10/23
-