2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

為替ヘッジ付きインデックスファンドの為替ヘッジコスト 外国株式で2.2%など急上昇

CATEGORY為替ヘッジ
為替相場 円高と円安の標識

米ドルの利上げにより米ドルと日本円の金利差が広がる中、外国株式、外国債券、新興国債券、海外REITなどの為替ヘッジ付きインデックスファンドの為替ヘッジコストを確認したところ、過去5、6年で最も高い水準に上昇しています。


為替ヘッジコストとは

外国株式や外国債券など外賀建てのファンドに投資すると、投資先資産の米ドル円やユーロ円などの為替レートの影響を受けます。
結果、円換算評価額が円安では増え、逆に円高だと減ります。

為替ヘッジを行うことで、為替による変動の影響を減らすことができますが、そのための為替ヘッジコストがかかります。

為替ヘッジコストについては以下をご覧ください。
  為替ヘッジにかかる為替ヘッジコスト 金利差だけでは決まらないコストの仕組み

為替ヘッジコストは、為替ヘッジ付きのファンドの信託報酬や実質コストには含まれていません。
為替予約が成立するためのオペレーションコストであり、ベンチマークとなる指数に織り込まれて算出されています。


為替ヘッジコストは、理論的には両通貨の金利差なのですが、実際はそれだけではなく、需給要因その他で変化します。
為替ヘッジにより、為替変動によるブレ(=リスク)が抑えられる分、為替ヘッジコスト分だけ期待リターンは下がります。



為替ヘッジ付き5ファンドの為替ヘッジコストは」2016年11月以降で最大に上昇

野村インデックスファンドFunds-iシリーズの為替ヘッジ付ファンドの月報には、「配当利回り(年率)」と「配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)」の2項目があります。
配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)の説明として「為替ヘッジプレミアム/コストを反映して表示」とあるため、その差が為替ヘッジコストとなります。

今回、Funds-iシリーズの以下5ファンドの各月報から求めた各ファンドの為替ヘッジコストは以下表の一番右列(黄色枠)に書きました。(2022年7月29日時点)

野村インデックスファンド Funds-iシリーズ 為替ヘッジ付き5ファンドの為替ヘッジコスト
 ファンド ベンチマーク為替ヘッジコスト
 2016年11月2018年8月2019年7月2020年1月2022年3月2022年7月
 野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型 MSCIコクサイ(円ヘッジ) 2.1%1.7% 1.9% 1.5%0.5% 2.2%
 野村インデックスファンド・外国債券・為替ヘッジ型 FTSE世界国債インデックス(除く日本)(円ヘッジ) 1.7%1.3% 1.5% 1.1%0.4% 1.8%
 野村インデックスファンド・新興国債券・為替ヘッジ型 JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(円ヘッジベース) 2.4% 2.2%2.6% 1.8%0.5% 2.5%
 野村インデックスファンド・外国REIT・為替ヘッジ型 S&P先進国REIT指数(除く日本)(配当込み、円ヘッジ) 2.4% 2.0%2.3% 1.6%0.5% 2.4%
 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 7資産の合成指数(円ヘッジ) 1.2% 1.0% 1.1% 0.8%0.3% 1.2%



上記の為替ヘッジコストの数値は、あくまで野村インデックスファンド (Funds-i)シリーズの為替ヘッジコストです。
他の同じ資産クラスのインデックスファンドと同じとは限りませんが、参考値として載せています。

ご覧の通り、いずれのファンドも為替ヘッジコストが表内の2016年以降では最も高い為替ヘッジコストとなっています。

例えば、為替ヘッジなしの野村インデックスファンド・外国株式の配当利回りが年2.0%あるところ、野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型の配当利回りは-0.2%と為替ヘッジコストが2.20%かかっています。
配当利回りを吹き飛ばしてさらに0.2%かかる為替ヘッジコスト恐るべしです。
 出典:  野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型(Funds-i 外国株式・為替ヘッジ型) 月報 (PDF) 


今年の4月以降の米国の短期金利の利上げもあり、米ドル円が144円付近と24年ぶりの高値となっています。
為替ヘッジ付きのファンドも検討したくなりますが、今後も米ドルと日本円の金利差が大きくなると、為替ヘッジコストが今よりさらに高くなる可能性もあることには注意が必要です。

為替ヘッジ有無によるMSCIコクサイ指数(配当込み)の過去30年間のリターン比較でもお伝えしたように、為替ヘッジによるコストは、為替ヘッジ無しよりリターンをそのコスト分削りますので注意が必要です。


関連記事

 [2022.10.30追記]
 わずか2カ月でさらに為替ヘッジコストが増大しています。
 インデックスファンドの為替ヘッジコスト 外国株式3.0%、外国債券2.7%等とさらに上昇
関連記事