2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

インデックスファンドの為替ヘッジコスト 外国株式3.4%、外国債券3.1%と先月よりさらに増加

CATEGORY為替ヘッジ
青い棒グラフと白い電卓

米ドルやユーロの利上げにより、それら外国通貨と日本円の金利差が次第に広がっています。
そのため、為替ヘッジ付インデックスファンドの為替ヘッジコストは、外国株式が先月の3.0%から3.4%に、外国債券が先月の2.7%から3.1%とさらに増加しています。


為替ヘッジコストとは

外国株式ファンドや外国債券ファンドなど外賀建てファンドに投資すると、米ドル円やユーロ円などの為替レートの影響を受けます。
結果、円換算評価額が円安では増え、逆に円高だと減ります。

為替ヘッジを行うことで、為替による変動の影響を減らすことができますが、そのための為替ヘッジコストがかかります。

為替ヘッジコストについては以下をご覧ください。
  為替ヘッジにかかる為替ヘッジコスト 金利差だけでは決まらないコストの仕組み

為替ヘッジコストは、為替ヘッジ付きのファンドの信託報酬や実質コストには含まれていません。
為替予約が成立するための言わばオペレーションコストであり、ベンチマークとなる指数に織り込まれて算出されています。


為替ヘッジコストは、理論的には両通貨の金利差なのですが、実際はそれだけではなく、需給要因その他で変化します。
為替ヘッジにより、為替変動によるブレ(=リスク)を抑えることができますが、為替ヘッジコスト分だけ期待リターンは下がります。



為替ヘッジ付き5ファンドの為替ヘッジコストは9月末時点よりさらに増加

野村インデックスファンドFunds-iシリーズの為替ヘッジ付ファンドの月報には、「配当利回り(年率)」と「配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)」の2項目があります。
配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)の説明として「為替ヘッジプレミアム/コストを反映して表示」とあるため、その差が為替ヘッジコストとなります。

今回、Funds-iシリーズの以下5ファンドの各月報から求めた各ファンドの為替ヘッジコストは以下表の一番右列(黄色枠)に書きました。(2022年10月31日時点)


野村インデックスファンド Funds-iシリーズ 為替ヘッジ付き5ファンドの為替ヘッジコスト
 ファンド ベンチマーク為替ヘッジコスト
2018年8月2019年7月2020年1月2022年3月2022年7月2022年9月2022年10月
 野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型 MSCIコクサイ(円ヘッジ)1.7% 1.9% 1.5%0.5%2.2%3.0% 3.4%
 野村インデックスファンド・外国債券・為替ヘッジ型 FTSE世界国債インデックス(除く日本)(円ヘッジ)1.3% 1.5% 1.1%0.4% 1.8%2.7% 3.1%
 野村インデックスファンド・新興国債券・為替ヘッジ型 JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(円ヘッジベース) 2.2%2.6% 1.8%0.5%2.5% 3.4% 3.9%
 野村インデックスファンド・外国REIT・為替ヘッジ型 S&P先進国REIT指数(除く日本)(配当込み、円ヘッジ) 2.0%2.3% 1.6%0.5% 2.4% 3.3% 3.7%
 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 7資産の合成指数(円ヘッジ) 1.0% 1.1% 0.8%0.3% 1.2% 1.6% 2.0%


上表の為替ヘッジコストの数値は野村インデックスファンド (Funds-i)シリーズの為替ヘッジコストです。
他の同じ資産クラスのインデックスファンドと同じとは限りませんが、参考値として載せています。

ご覧の通り、全5ファンドとも為替ヘッジコストが先月9月末時点の値をさらに上回り最大となっています。
為替ヘッジコストは、外国株式クラスが3.0%⇒3.4%、外国債券クラスが2.7%⇒3.1%と増え、新興国債券、外国リートなど他資産クラスも3%超となっています。

今後も米国や欧州が利上げをしていくとさらに為替ヘッジコストが大きくなることが予想されます。

為替ヘッジ有無によるMSCIコクサイ指数(配当込み)の過去30年間のリターン比較でもお伝えしたように、為替ヘッジによるコストは、為替ヘッジ無しよりリターンをそのコスト分削ります。

為替変動によるブレを抑える代償に年3%以上のコストをかけても割に合うかどうか考えた上で、為替ヘッジ付きのファンドに投資するかどうか決める必要があります。
関連記事