2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

インデックスファンドの為替ヘッジコスト 外国株式4.6%、外国債券4.2%と高値を更新

CATEGORY為替ヘッジ
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為替ヘッジ付インデックスファンドの12月末の為替ヘッジコストを確認します。
為替ヘッジコストは11月末の高値をさらに更新しています。


為替ヘッジコストとは

外国株式ファンドや外国債券ファンドなど外賀建てファンドの値動きは為替レートの影響を受け、円換算評価額が円安では増え、逆に円高だと減ります。

為替ヘッジを行うことで、為替による変動の影響を減らすことができますが、そのための為替ヘッジコストがかかります。

為替ヘッジコストについては以下をご覧ください。
  為替ヘッジにかかる為替ヘッジコスト 金利差だけでは決まらないコストの仕組み

為替ヘッジコストは、信託報酬や実質コストには含まれていません。
為替予約が成立するための言わばオペレーションコストであり、ベンチマークとなる指数に織り込まれて算出されています。


為替ヘッジコストは、理論的には両通貨の金利差なのですが、実際は金利差要因以外の需給要因その他で変化します。
為替ヘッジにより、為替変動によるブレ(=リスク)を抑えることができますが、為替ヘッジコスト分だけ期待リターンは下がります。



為替ヘッジ付き6ファンドの為替ヘッジコストはいずれも11月末時点よりさらに増加

野村インデックスファンドFunds-iシリーズの為替ヘッジ付ファンドの月報には、「配当利回り(年率)」と「配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)」の2項目があります。
配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)の説明として「為替ヘッジプレミアム/コストを反映して表示」とあるため、その差が為替ヘッジコストとなります。
最新の月報記載から計算した為替ヘッジコストは以下の通りです。

為替ヘッジ付きファンドの為替ヘッジコスト 2022年12月末
 ファンド配当利回り(年率)配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)為替ヘッジコスト
 a% b%(a-b)% 
 野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型 2.1% ‐2.5% 4.6%
 野村インデックスファンド・外国債券・為替ヘッジ型 3.6% -0.6% 4.2%
 野村インデックスファンド・新興国債券・為替ヘッジ型 7.0% 1.8% 5.2%
 野村インデックスファンド・外国REIT・為替ヘッジ型 4.1% -0.7% 4.8%
 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 3.3% 0.7% 2.6%
 野村インデックスファンド・米国株式配当貴族・為替ヘッジ型2.4%-2.7% 5.1%


例えば、野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型の場合、今月の月報によると配当利回り(年率)が2.1%、配当利回り(年率)(為替ヘッジ後)が-2.5%のため、為替ヘッジコストは2.1%-(-2.5%)=4.6%となります。


今回、Funds-iシリーズの以下6ファンドの各月報から求めた各ファンドの為替ヘッジコストを過去の値と比較したものが以下となります。(2022年12月30日時点)

今回から、野村インデックスファンド・米国株式配当貴族・為替ヘッジ型も表内に入れております。

野村インデックスファンド Funds-iシリーズ 為替ヘッジ付き6ファンドの為替ヘッジコスト推移
 ファンド ベンチマーク為替ヘッジコスト
2020年1月2022年3月2022年7月2022年9月 2022年10月2022年11月2022年12月
 野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型 MSCIコクサイ(円ヘッジ) 1.5%0.5%2.2%3.0% 3.4% 3.6% 4.6%
 野村インデックスファンド・外国債券・為替ヘッジ型 FTSE世界国債インデックス(除く日本)(円ヘッジ) 1.1%0.4% 1.8%2.7% 3.1% 3.4% 4.2%
 野村インデックスファンド・新興国債券・為替ヘッジ型 JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(円ヘッジベース) 1.8%0.5%2.5% 3.4% 3.9% 4.6% 5.2%
 野村インデックスファンド・外国REIT・為替ヘッジ型 S&P先進国REIT指数(除く日本)(配当込み、円ヘッジ) 1.6%0.5% 2.4% 3.3% 3.7% 4.1% 4.8%
 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 7資産の合成指数(円ヘッジ) 0.8%0.3% 1.2% 1.6% 2.0% 2.2% 2.6%
 野村インデックスファンド・米国株式配当貴族・為替ヘッジ型 SP500配当貴族指数(配当込み・円ヘッジ) 5.1%



為替ヘッジコストが11月末時点の値をさらに上回り、表示期間中では最大となっています。

為替ヘッジコストは、外国株式クラスが3.6%⇒4.6%、外国債券クラスが3.4%⇒4.2%と増え、新興国債券、外国リートなど他資産クラスも4%~5%台の高さとなっています。

今後も日本と海外の金利差が大きくなると為替ヘッジコストが大きくなることが予想されます。
個人的には、海外資産に投資する以上、為替変動によるブレは受け入れ、為替ヘッジをしていないファンドを資産運用に利用すべきと思っています。
 参考: ⇒ 為替ヘッジ有無によるMSCIコクサイ指数(配当込み)の過去30年間のリターン比較
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