日本初の「堕天使債」に投資するフォーリン・エンジェル・USハイイールド・ファンドが運用開始

日本初の「堕天使債ファンド」(なにそれ?)が設定されたとのことで、内容を調べてみました。
公募投信で日本初の「堕天使債ファンド」、BNYメロン・インベストメントが4月25日に設定 | ウエルスアドバイザー
「フォーリン・エンジェル(堕天使)」と名付けられる債券がある。信用格付けがBBB以上の「投資適格債」から「ハイ・イールド債」に格下げされた債券だ(反対に、ハイ・イールド債から投資適格債に格上げされた債券は『ライジング・サン』という)。
この「フォーリン・エンジェル」が持っている特徴的な性格を収益機会にする「フォーリン・エンジェル・US ハイイールド・ファンド」が4月25日に設定された。
債券の信用格付けが投資適格債から格下げされると、投資適格債以上で運用することを条件としているファンドや年金基金などの機関投資家から「投げ売り」といえる大量の売り注文が出る。この際に、必要以上に価格が下落する(10年国債利回りなどとの利回り差=スプレッドが拡大する)ことがある。その後、ハイ・イールド債市場で売買が始まると、急落した価格は修正される(スプレッドが縮小する)ことが一般的だ。

(フォーリン・エンジェル・USハイイールド・ファンド 交付目論見書より引用)
堕天使債(Fallen Angel、フォーリン・エンジェル)とは、投資適格債(格付けBBB以上)から投資不適格債(ハイイールド債券、格付けBB以下)に格下げされた債券をさします。
年金基金などの機関投資家は、規約により投資適格債しか保有できないことが多く、保有債券が格下げにより投資不適格債となった債券は強制売却することになります。
この際に必要以上に価格が下落した堕天使債を購入しておくと、その後行き過ぎた下落が修正されることが多く、高リターンが期待できるとのことです。ホントかよ。。
フォーリン・エンジェル・USハイイールド・ファンドの基本情報は以下です。
フォーリン・エンジェル・USハイイールド・ファンド | BNYメロン・インベストメント・マネジメント
- ファンド名: フォーリン・エンジェル・USハイイールド・ファンド
- 申込手数料: 3.0%(税抜)(=3.30%(税込))以内
- 信託報酬: 年0.767%(税抜)(=運用管理費用年0.517%(税込) + 投資対象ファンドの信託報酬0.25%)
- 信託財産留保額: なし
- ベンチマーク: なし
- 参考指数: ブルームバーグ・米国ハイイールド・フォーリン・エンジェル3%キャップ・トータル・リターン・インデックス
- 設定日: 2023年4月25日
- 決算: 年1回(4月20日)
- 運用会社: BNYメロン・インベストメント・マネジメント
- 現在の取扱販売会社: 楽天証券
フォーリン・エンジェル・ハイイールド債は、厳しい市場環境や金利上昇局面においても、価格上昇の可能性を備える、魅力的な資産クラスです。特に、債券の革新的な流動性資産にアクセスできる投資家は、フォーリン・エンジェルをアロケーションに組み入れることにより、ハイイールド投資戦略を強化することが可能となります」と語っている。「フォーリン・エンジェル債」という投資カテゴリーが、今後、日本の投資シーンにおいて存在感を持つ資産クラスになっていくかどうか、今後のファンドの成長を見守りたい。
「存在感を持つ資産クラスに」にはならないでしょう。
格付けがBB格以下のハイイールド債券に投資することは、野村インデックスファンド・米国ハイ・イールド債券(信託報酬0.80%(税抜))などを購入すれば可能ですが、さらにその「ハイイールド債券」クラスの中の「フォーリン・エンジェル債」への投資はニッチすぎます。
こういう風変わりなファンドもあるとネタとして知っていれば十分でしょう。
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