2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

コモディティファンドやETFに投資する前に注意しておきたいこと その1

株式や不動産、国債や現金だけでなく、暗号資産やコモディティへの分散投資のイメージ

全世界株式指数をベンチマークとするオルカン楽天VTなどを1本買うだけで、全世界の株式に幅広く分散投資できます。
同様にコモディティ指数(商品指数)をベンチマークとするコモディティファンドやETFに投資することで、20種を超えるコモディティにまとめて投資できます。
ただし、コモディティ市場の値動きと関係のないリスクを抱えているので注意が必要です。


コモディティへの分散投資

コモディティへの投資

 資産の一部に組み入れてリスクを分散!おすすめコモディティファンドセレクション! | SBI証券

コモディティとは、商品先物市場で取引されている原油や金、穀物などを指します。安全資産として人気の高い金をはじめ、株や債券とは異なる値動きに期待ができるほか、実体を有する資産に投資することは独特の安心感があるとも言えるのではないでしょうか。


上記のようにコモディティ投資については、「コモディティは株式や債券と値動きが異なり分散投資になる」や「実物への投資」の他、「インフレ対応」にもなるなど一見魅力的な記載をみかけます。

コモディティについては、金(ゴールド)やトウモロコシ、小麦などの単一商品に投資するインデックスファンドやETFもあります。
コモディティ指数をベンチマークとするインデックスファンドやETFに投資することで、20種を超えるコモディティ1本にまとめて投資できます。



コモディティ指数

コモディティ指数は、商品市況の値動きを表す指数で、農作物(小麦やトウモロコシなど)、エネルギー(原油、ガソリン)、貴金属(ゴールド、銀)などの各上場先物にまとめて投資できます。

例えば、コモディティ指数で最も有名なブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity Index、BCOM指数)は以下のように5業種23種類の上場先物で構成されています。

ブルームバーグ商品指数のセクター別構成割合と構成銘柄

 出典: eMAXISプラス コモディティインデックス 交付目論見書 (PDF)

ACWIのような広範な範囲をカバーする株式指数と同じように、コモディティ指数も主要な商品に分散されています。



コモディティETFの3つの分類 先物型ETF、リンク債型ETF、OTCスワップ型ETFの概要

東証のETFの紹介ページには、以下3種類のETFの留意点が記載されています。
詳細はそれぞれのリンク先を読んでいただきたいのですが、一部を抜粋したのが以下です。

先物型ETF | 東証

先物型ETFとは、先物取引の価格を用いる指標に連動するETF又は主に先物取引に投資を行うETFを言います。


一般的に、限月までの期間が長ければ長いほど将来の価格の不確実性が増すことから、時間的価値は大きくなり、先物価格は高くなります。先の限月の先物ほど高い状態のことを「コンタンゴ」と呼びます。一方、先の限月の先物ほど安い、すなわち決済期日が短い(期近)価格の方が、決済期日が長い(期先)よりも高い状態のことを、「バックワーデーション」と言います。


先物型ETFは、ロールオーバーを繰り返すことで減価していく場合があります。そのため、とりわけ中長期の投資を行う場合には留意が必要といえます。



リンク債型ETF | 東証

リンク債型ETFとは、主に金融機関が発行する指標に連動した投資成果を目的とする債券(リンク債)に投資することで、ETFの一口あたり純資産額の変動率と対象指標の変動率を一致させる運用手法を採るETFを指します。ETFが投資対象とするリンク債は、その償還価格が指標の動きに連動するようにリンク債発行者が保証しており、リンク債を保有することにより、ETFの一口あたり純資産額の変動率は指標の変動率に一致します。

リンク債型ETFでは、一口あたり純資産額の変動率と指標の変動率の間に乖離(トラッキングエラー)が発生しない反面、リンク債の発行者の信用リスクが存在します。




OTCスワップ型ETF | 東証

OTCスワップ型ETFとは、ETF発行者と主に金融機関との間で、連動対象の指標のリターンを交換するトータルリターンスワップ契約を結ぶことで、ETFの一口あたり純資産額の変動率と対象指標の変動率を一致させる運用手法を採るETFを指します。
OTCスワップ型ETFでは、トラッキングエラーがない反面、スワップ契約のカウンターパーティーの信用リスクが存在します。



コモディティETFは、上の3種類のETFのいずれかになり、先物型ETFであればロールオーバーを繰り返すことで減価していく欠点があります。
また、リンク債ETFやOTCスワップ型ETFであれば、先物型ETFのような減価特性はない代わりに、リンク債の発行会社や、金融機関とスワップ契約している会社の信用リスクがあります。

例えば、ブルームバーグ商品指数をベンチマークとする東証のETFであるWisdomTree 総合上場投資信託 (1684)は、OTCスワップ型ETFです。

コモディティ市場の値動きや為替リスクは当然受け入れられても、スワップ契約のカウンターパーティーの信用リスクは受け入れられない方が多いと思います。

次記事では、東証上場のコモディティETFや、コモディティファンドがそれぞれ上記3つのどれに所属しているかまとめます。
 ⇒ コモディティファンドやETFに投資する前に注意しておきたいこと その2
関連記事