2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」感想

CATEGORY図書
ほったらかし投資術_インデックス運用実践ガイド_本

「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」(山崎元さん、水瀬ケンイチさん共著)を読みました。

水瀬ケンイチさんは、ご存じの通りブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)」を書かれている方です。(本ブログ左サイドバーにもリンク有)

今回は、本は図書館で借りることが多い私が、(事前情報から)価値があると踏んでめずらしく購入しました。
以下に読み終えた感想を書きます。


感想

山崎元さん、水瀬さんが半分ずつ書かれています。
ブロガーの皆さんが既に書かれていた書評では、山崎さんのパート(ポートフォリオ理論等)が難解とのことでしたので読みにくいのかもと思っていましたが、水瀬さんパートはもちろん、山崎さんパート部分も特に難しくなく、私にはすんなり読めました。


基本は、「分散」「積み立て」「低コスト」の3点をポイントとしてインデックス投資を勧めている当たり前ですがとてもまっとうな内容です。
理論含め当ブログと趣旨が同一ということもあり、理解しやすかったです。

山崎さんパートで、改めてインデックス投資の有利さを再認識しておいて、水瀬さんの実践編で心構えを含め、具体的なインデックスファンド、ETFの積立方法が確認できます。
通常、インデックス投資について書かれた本では、心構えまでは書かれたいないので貴重な内容だと思います。

また、商品完全ガイドの章にて、候補となるインデックスファンド、ETFリストが載っていてとても見やすいです。
私が購入しているおなじみのインデックスファンドを始め、海外ETFまで載っています。

関連記事

 保有中の全投資信託まとめ(2011年8月) 


読んでみて山崎さんが書かれた「市場が効率的であってもなくても、インデックス運用は有利である」という点が改めて納得できます。
以前書いたエントリ アクティブ投信がインデックスに勝てない本当のワケ? に書いた以下の箇所を改めて読み直し、コストの重要性を再認識できました。

パッシブ全体の成果は、市場平均に対し、インデックスファンド全体のコスト分(=A)だけ市場平均よりマイナスになります。同様に、アクティブファンド全体の成果もアクティブファンド全体のコスト分(=B)だけ市場平均だけマイナスになります。ここで一般的に、 A < B なので、アクティブファンドを選択するより確率的に優位に立とうというのがパッシブ派の立場です。





資産配分について

資産配分円グラフイメージ

1点だけ私と意見が異なるのは山崎さん推奨のインデックスファンドの配分です。
国内株、先進国株、新興国株の比率を3例を上げられていますが、いずれも国内株が4割から5割入っています。

山崎さんのブログ、著書等でそれが過去の相関関数データを用いて算出されたことは知っているのですが、国際分散投資の立場からすると日本株式の割合が高すぎると感じます。
ここは各自が心地よく長期運用を続けられるよう独自で比率を調整して良いと個人的には考えます。
(インデックス投資家にとって、資産配分をあれこれ考えるのが楽しみかと)

関連記事

 [2011.10.12追記]
 資産配分の確認(2011/10/1) 




終わりに

長々と書きましたが、インデックス投資の解説として良くまとまっており全体として大変お勧めです。

インデックス投資について概要をご存じの方はもちろん、個人的には「景気が良くなったらどの業界が伸びるのかわかりやすいから個別株が有利」とか、「アクティブファンドの方がなんとなくいいリターンが得られそう」などと考えておられる方にはぜひ読んでいただきたい本です。







関連記事

 [2011.10.12追記]
 インデックス投資を理解するための6項目

 [2015.06.14追記]
 全面改訂版が発売されたため、早速読みました。
 「全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」は初心者からマニアまで参考になります
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COMMENTS

5Comments

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堀田かつひこ

No title

こんばんわ、いつも楽しく拝見しています。
さて、最新のブログ記事で、kenzさんをご紹介しました。
もしも何かインデックス投資に関して質問等が行きましたら、
よろしくどうぞ。
今度、機会がありましたらぜひ一杯やりましょうか!
(そういえば、インデックス投資ナイトに行きます)

cub

No title

kenzさんあけましておめでとうございます

私もこの本と「半値になっても儲かるつみたて投資」って本を年末購入したのですが

「半値~」の方が良かったかなぁ
一冊まるごとドルコストの話、案外ありそうでなかった本で良かったです

「ほったらかし~」はご本人が実践されているのですから、実践データーのようなもの載せてほしかったなぁと思っています

それがないのが残念だと、

山崎さんのPF見ていると結局、インデックス投資もアセットであれこれやって、アクティブと変わらないのね・・・ってことになりそうでう

人のこと言えないのですが(笑)

今年もよろしくお願いいたします m(_ _)m

  • 2011/01/04 (Tue) 23:57
  • REPLY

kenz

>堀田かつひこさん
ご紹介ありがとうございます。答えられる質問であれば何でも歓迎です。
9日のインデックス投資ナイト参加されるんですね!
イベントは初参加で勝手がわかっていないのですが私も参加します。

> 今度、機会がありましたらぜひ一杯やりましょうか!
ぜひよろしくお願いします。
インデックス投資ナイトもそうですが、今年は仕事以外で多くの方と
お会いしたいと思っております。


>cubさん
「半値になっても儲かるつみたて投資」の本はまだ読んでいないので今度見てみます。
実践データは整理するのがむずかしいでしょうね。私も1年前のデータは記録に残していないですし。

>インデックス投資もアセットであれこれやって、アクティブと変わらない
まさにその通りです。インデックス投資は、個々のアセットクラスの部品として低コストのインデックスファンドを使うだけで、アセットアロケーションは大いにアクティブにするべきものと思います。
そこが楽しくて魅力的なところではないかと。
個々の投資家がしっくり来る資産配分で長期投資していければOKと考えています。

矢向

No title

もしそのほかに、インデックスファンドのメリットがあるとしたら、インデックスファンドは自動的に配当金再投資があるかなと思っています。
ETFにはできない、芸当です。

kenz

>矢向さん
たしかにETFは分配金再投資が自動にできませんね。たいした手間でもないので私は手動で次回買付額を増やすことで対応しています。

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