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コモディティファンドをお勧めできない4つの理由

コモディティインデックス

コモディティファンドは、一般的に商品指数(インデックス)の連動を概ねめざすインデックスファンドです。
株式、債券と異なる動きをすることから、コモディティクラスへの投資を検討されている方もおられると思いますが、私はコモディティには投資していません。

その大きな理由4つを以下に書いてみます。


1. 信託報酬等のコストが高い


手数料
国内外の株式、債券インデックスファンドはノーロード(購入手数料無料)&信託報酬0.5%台前後が当然のようにネット証券を中心に購入できます。一方コモディティファンドはノーロードはほとんどなく1~3%程度の手数料がかかるのはもちろん、信託報酬も1%超が多いです。
また、実質コストも信託報酬以外に別途1%以上発生する場合も多く、コスト高になりがちなのが問題の一つです。




2. インカムゲインがない

コーヒー豆

株式、債券と異なり当然ですが保有していてもインカムゲインがありません。また株式、債券と異なりコモディティクラスは、あくまで需要と供給のバランスにより価格生成されるだけなので、長期保有による成長も見込めません。

(株式、債券への投資と本質的な意味が異なります。)





3. 仕組み上、指数自体に投資できない問題がある

インデックス

この時、一般的には原理的に、期近より期先の方が価格が高いことが多く、乗り換え(ロールオーバー)時の価格差による損失が発生します。(コンタンゴ状態)
(逆に、期近より期先の方が価格が安い時は、バックワーデーション)

そのため、長期保有すればするほど信託報酬等のコスト以外にコンタンゴの影響で商品指数との下方かい離が発生しやすくなります。

具体例は以下の過去記事 コモディティ投信、ETFの問題点 その1を参照ください。
 




4. 流動性リスク。 投資先が商品でなく、商品指数連動債の場合が多い

下落相場

コモディティファンド、ETF共にですが、投資対象が商品そのもの(=先物)ではなく、どこかの企業の信用のもとで発行される商品指数連動債が投資対象の場合があります。

コモディティファンド購入の前に目論見書、月次報告書を確認しましょう。

STAM コモディティ・オープン(SMA専用)月次レポート  P2 ⑧全保有銘柄は 5種類のドル建て債券になっています。
 
パインブリッジ・コモディティファンドは、スウェーデン輸出信用銀行とノルウェー輸出金融公社が発行する2種類の債券に投資しています。

パインブリッジ・コモディティファンドは、リーマンショック時は、AIG発行の商品指数連動債に投資していて、AIG自体が倒れたため、リーマンショックの最中にファンドの売買停止になり大混乱になったことは記憶に新しいところです。

株式や債券の下落時に、上昇しているかもしれない肝心のコモディティファンドの流動性がなかったのでは話になりません。

関連記事

 [2011.12.19追記] 懸念したことが起こりそうです。
 だからコモディティファンドはお勧めできない(指数連動債がジャンク級へ)





補足



コモディティは分散投資の効果があることは間違いないですし、直近のインフレにも対応可能です。
また仕事上、コモディティ価格が上昇すると死活問題の場合は、コモディティへの投資によりヘッジできる効果もあります。
そのため、コモディティクラスへの投資の意味がないわけではありません。

しかし、1.~4.の問題があるので、メリットはかなり薄いと考えます。
(細部は省略したので厳密さにはこだわらず直感的な問題を書いてみました。)

販売側は手数料がおいしいので、今後の物価上昇によりお勧め商品としてコモディティを取り上げてくることもあると思いますが、「コモディティへの投資」(私はこの言い方はしっくり来ないですが)の意味を十分理解したうえで購入すべきと思います。


関連記事

 大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代

 [2011.09.24追記]
 コモディティインデックス構成比 やっぱりコモディティファンドはお勧めできない

 [2012.05.22追記] 楽天証券で金、銀、プラチナの積立サービスが始まります。
 楽天証券 純金積立で最大1000ポイントもらえるキャンペーン。値動きやコストも大きくお勧めできません

 [2012.05.28追記]
 ノルウェー輸出金融公社のコモディティ指数連動債 | 再度格下げされるも無事満期償還
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【theme : 投資信託
【genre : 株式・投資・マネー

tag : コモディティファンド

⇒comment

Secret

No title

詳細なデータや統計が元でないので、ただの憶測ですが、
コモディティがどのくらい分散に役立つのだろう? と思ったりしていました。

コモディティをメインに扱う会社には(それに付加価値があるので)
投資しても良いかなと思うのですが、コモディティ自体にはどうしても「うーん」と思っていました。
ゼロサムゲームであることと、やはり信託報酬の高さ(商品自体は価値を生まないのに)
ですかね...

物的資本を持つなら、現物を持ちたいと個人的に思っていたりします。

>PETさん
> ゼロサムゲームであることと、やはり信託報酬の高さ(商品自体は価値を生まないのに)
> ですかね...
同意です。タイミング投資はともかく長期投資に不向きなのは間違いないと思います。

> 物的資本を持つなら、現物を持ちたいと個人的に思っていたりします。
これも実際は難しいですよね、賞味期限があったり、保管費用がかかったりするので。。

No title

わたしもそのとおりだと思います。

やはり、コストの検討は大事ですから・・。

また、ある意味、「ゴールド(金)ETF」も、似たような状況なのかな?と思いますが、どうでしょうか?

どうせなら、金の延べ棒買って、眺めていたほうがイイかも(笑)

なるほど・・

はじめまして。マネーき猫と申します。

インカムゲインがない。なるほど~
うーん確かにそうですね。

リーマンショック前、コモディティが
盛り上がったのにつられて、
コモディティ投信を購入したことがあります。

手数料も高いですし、あまり旨味は
なかったですね。

参考になりました。ありがとうございました。

マネーき猫
http://nyankoyuta.biz/

No title

私もコモディティ否定派です。

投資マネーが流れ込めばその分商品価格が上がるため、
自分で自分の首を絞めているような気がするのですよね。

ただ、資源や食料関連の株式や資源国(ブラジルなど)への
間接的な投資はありだと思ってます。

新潟の冬は寒いので、灯油価格高騰は財布も寒くなるので
勘弁してほしいです。

>akichipiさん
金(ゴールド)ETFも同様のはずです。むしろコモディティインデックスと違い1種集中なので、リスクも高いです。ドル円の為替変動も受けるので安全資産などではないことを理解するべきものと思います。

>マネーき猫さん
ありがとうございます。ご参考になりましたら幸いです。

>健康パパさん
おっしゃる通り、自分で食料買占めに加担することになります。
商品市場は株式、債券市場よりずっと規模が小さいので影響大です。
リーマンショック時も、ファンドの資金が商品市場に入って価格が高騰しましたよね。
株式等による間接投資は当然ありだと思います。というよりその妥当性のため世界株式インデックスに広く投資しているといった方が正しいですが。

No title

素晴らしい説明ですね。分かりやすいです。
僕はごく一部、コモディティETFを保有していますが、流動性が悪く、指値しても
全然買えなくて苦労しました。
買えないなあと思っていたら、あっというまに2割も値上がりしてます。
分配も出ないので、保有していての楽しみも無いです。
今後は、よほど値下がりすればコモディティも買いますが、基本的には
不動産クラスに継続して投資していきます。

>堀田かつひこさん
コモディティに限らず、流動性が悪いのは投資対象として問題ですね。
不動産もですが、保有により資産の本質として上昇する特性のあるものに投資するべきですね。

No title

(雪山と仕事で忙しく、拝見するのが遅くなり申し訳ありません。)

詳細な記事ありがとうございます。

私もコモディティはインカムがないことから長期投資には組み入れませんが、いまだ原油動向には悩んでおります。しかしながら買うとしても資産のごく一部にしようと考えております(数多の問題点は認識しているつもりです)。

少し話がずれますが、株式や債券において、先物を利用するETFや今後導入予定のETNについて、kenzさんのお考えをお教えいただけるとありがたいです。新規エントリーや、過去に記事があれば。

また恐縮ではありますがこの場をお借りして、相互リンクをご検討願えませんでしょうか?よろしくお願いいたします。

>Rockyさん
先物利用のETFやETNについては過去記事にはないので新規エントリに挑戦してみます。
個人的には先物利用のETFはまだしも、ETNは発行体の信用リスクを抱えるので投資対象にはしておりません。

相互リンク了解です。リンク完了しました、ご確認ください。

リンクありがとうございます。

こちらもリンク貼らせていただきました(まださみしいリンク集ですが…)。

今後ともよろしくお願いいたします。

商品指数連動債のコモディティファンドについて

http://www.tse.or.jp/rules/etf/list-etn/b7gje6000002e88e-att/2021.pdf
5ページのETNの特徴2で、信託報酬以外のトラッキングエラーは発生しない、と書いてあります。
発行体バークレーズの信用の問題は別にして、ロールオーバーコストが無いので、有利な商品と思います。

http://www.tse.or.jp/rules/etf/list/b7gje6000002fr50-att/1686.pdf
このETNは、ロールオーバーコストが発生する代わりに、米財務省短期証券3ヵ月物に投資する収益があるタイプだと思います。

現状では、コンタンゴ状態が続き、短期金利も低いので、上のタイプのETNが有利と考えました。
管理人様のご意見を頂けますと嬉しいです、よろしくお願いします。

>のぎさん
そこまで両商品をご理解されているのであれば、良いと思う方に投資されれば良いかと思います。
前者はETNなので、発行体が指数連動を保証することでロールオーバーコストはかからないですし、後者はロールオーバーコストはかかる手法が異なる方式です。
発行体の信用リスクをとるとらないなど取るべきリスクが異なりますので、単純にどちらが良いかは難しいです。

私であれば、そもそも商品指数連動ファンドは期待リターンがプラスではないため投資対象にしておらず、どちらにも投資しないです。

お返事ありがとうございます

お返事ありがとうございます。
お考えを聞かせて頂きまして、とても参考になりました。

リスクの相関性が低い投資クラスが欲しかったのですけれど、なかなか良いものは無いですね。。
プロフィール

kenz

Author:kenz
川崎在住の40代サラリーマンのkenz (けんず)です。
妻(専業主婦)と二人です。2007年からはじめたインデックス投資の日々を記録します。

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【メディア掲載履歴】
・日経ヴェリタス 2018年6月3日号
・日本経済新聞電子版 投信コラム
・「ほったらかし投資完全ガイド」
・東証 マネ部!にインデックス投資手法と投資に対する考え方の記事が掲載”
・「東証 マネ部!」と「webR25」初心者にオススメの投資先”
・東証 マネ部! 人気投資ブロガーが推奨する“初心者向け投資法”
・BIG tomorrow2016年12月号増刊
・BIG tomorrowマネー2016年10月号
・ビッグトゥモロウ2016年8月号
・日経ヴェリタス 2016年2月14日号
・ザイ・オンライン2016年1月13日
・Yen SPA! (エンスパ) 2016年 冬号
・日経ヴェリタス2015年11月15日号
・週間SPA!(スパ!) 2015年10/27号
・日経ヴェリタス2015年4月5日号
・Yen SPA! (エンスパ) 2015年 冬号
・日経ヴェリタス2014年7月6日号
・Yen SPA! (エンスパ) 2014年 夏号
・Yen SPA! (エンスパ) 2013年 夏号
・日経ヴェリタス2012年6月24日号
・日経ヴェリタス2012年4月29日号
・ネットマネー2012年6月号
・読売新聞2012年1月5日朝刊
・ビッグトゥモロウ11年12月号
・『THE21』2011年10月号
・Yen SPA (エンスパ)2011年夏号


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