基準価格が1万円を上回っているファンドが優秀という感違いをしている記事

つっこみどころ満載の記事がありましたので、おかしな点を指摘しておきます。
<最終更新日 2022年5月15日>
国際投資信託の選び方「優秀なファンド一覧」を参考にしよう | MONEYZine ⇒(リンク切れ)
基準価格が高く、一見割高と思われる投資信託であっても、当初募集時の価格にあたる基準価格1万円を上回っている時価総額が大きな投資信託は、これまでの成果と今後の機動的な運用に対する期待値とを合わせると、相当価値が高いと考えられるのではないでしょうか。
間違いです。
コラムを書いた福永博之という方は、TVでもコメンテーターとして見かけるとてもえらいアナリストですが、投資信託の基本用語、仕組みが全く理解できていません。
各投資信託の設定時期はばらばらなので、基準価額が1万円を上回っているかどうかの議論はナンセンスです。
相場好調時に設定されたファンドはその時が基準価額が1万円です。絶不調時に設定されたファンドはそのタイミングで基準価額が1万円なので、基準価額の数字で判断してはいけません。
また、分配金を出すとその分だけ基準価額が下がるので、基準価額のみではもちろん判断できません。
このくらい校正で気づいてあげてください。> MONEYZineさん
(どちらでも良くなったという指摘もありますが、やはりプロは正式名称を使うべきです)
どんな相場状況になっても、当初の設定価格の確保がしっかりできているような投資信託を選びたいものです。
と一見きれいにまとめていますが、そもそも基準価額で選択している点で大間違いです。
単純に、不調時に新規設定されたファンドを選ぶことになるだけです。
また、過去の成績は今後の値動きに無関係ですので、その意味でも基準価額の数値で選ぶことは無意味です。

DOW JONES MARKET CYCLE 010209.png / Doc Trader
この方はTVでよくテクニカルやらチャートを解説している方ですが、まずご自分で、基本的なことを学んだ方がよいと思います。
基本的なことをしっかり身につけているような解説者の書いているコラムを選びたいものです。
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