2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

STAMインデックスファンドシリーズ(2011年5月決算) 実質コスト

CATEGORYSMT(旧STAM)
チャートと虫眼鏡
Image: FreeDigitalPhotos.net


STAMインデックスシリーズ全9ファンドの最新の運用報告書が出そろいました。


既に、じゅん@さん、水瀬ケンイチさんが記事にされています。
 STAMインデックスシリーズ第7期運用報告書(2011年5月) | 投信で手堅くlay-up!
 STAMインデックスシリーズの実質コスト(2011年5月決算) | 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー


数値を参考にしながら、実質コスト(概算)を以下にまとめました。


STAMインデックスシリーズ 実質コスト

 ファンド (運用報告書にリンク) 信託報酬(%) 信託報酬その他  実質コスト
 STAM 日経225インデックス 0.42% 22円 0円 0.42%
 STAM TOPIXインデックス 0.4725% 15円 0円 0.47%
 STAM国内債券インデックス 0.42% 22円 0円 0.42%
 STAMグローバル株式インデックス  0.63% 21円 2円 0.69%
 STAMグローバル債券インデックス 0.5775% 23円 1円 0.60%
 STAM新興国株式インデックス 0.6825% 63円 31円 1.02%
 STAM新興国債券インデックス 0.63% 40円 19円 0.93%
 STAM J-REITインデックス 0.525% 19円 2円 0.58%
 STAMグローバルREITインデックス 0.6825% 24円 9円 0.94%



所感

STAMインデックスシリーズに限りませんが、やはり新興国株式と新興国債券、世界リートクラスは信託報酬以外にコストがかかり、トータルの実質コストが高くなっています。

新興国株式、債券インデックスのコスト要因

新興国株式/債券クラスは、やはり売買手数料が先進国に比べ高くなりがちなこと、保管費用もかかりがちなことがこの実質コストが大きくなる要因です。
新興国への投資には、先進国への投資とはそのコスト差分リターンが低下することも考えたうえで資産配分を決める必要があります。

ただ、STAM新興国株式インデックスの実質コストは毎回約1.0%前後で抑えてあり、eMAXIS新興国株式インデックス等他ファンド含め、最も実質コストが低く優秀です。

特に、新興国債券の実質コストは新興国株式のコストとほぼ変わりません。債券と株式の期待リターン差を考えると、新興国債券クラスがリスクに見合うか検討の必要があります。
(私は新興国債券を投資対象にしていません)


先進国REITインデックスのコスト要因

また、先進国リートクラスにも信託報酬以外の実質コストが高くなっています。
これは、先日の三菱UFJ投信 eMAXIS第4回ブロガーミーティングで判明した以下要因のためです。

売買費用だけでなく、リートは保有しているだけでコストがかかることと、もう一つは(株式と異なり)指数先物に相当するものがリートには存在しないため、注文が入ると必ず現物を買わないといけないことも保管費用UPにつながってしまうとのことです。


リートクラスの投資へ偏ることのないよう注意したいです。
(私は先進国リートの配分はリスク資産の5%以下にしています。)

 参考: 目標資産配分比率(2011年4月)



終わりに

低コストインデックスファンドの先駆けであるSTAMインデックスシリーズは私もまとまった金額を保有しています。
コストだけは計算可能な確実にリターンに影響を与える要素です。
今後もさらなる低コスト運用を行ってもらうことに期待しています。



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 [2011.11.10追記]
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 [2011.12.11追記] STAMインデックスシリーズの運用報告書(2011年11月決算)が発行されました。
 STAMインデックスファンドシリーズ(2011年11月決算) 実質コスト

 [2013.06.11追記] 実質コストを最新版に更新しました。
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 [2013.12.09追記] SMTインデックスシリーズの第7期決算の実質コストを計算しました。
 SMTインデックスシリーズ(2013年11月決算) 実質コスト更新表

 [2014.06.07追記]
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 [2014.12.09追記]
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COMMENTS

2Comments

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Kapok

No title

素晴らしい情報ありがとうございます。
新興国とREITのコストに関しては、信託報酬以外のものもかなりの寄与をするようですね。
インデックスファンドを選ぶときは、その点の比較も大切だと思いました。

新興国債券の保有は、いろいろな考え方があると思います。
組み入れれば、保有する資産全体のリスクは減るはずです。
また、株が急落・債券価格は上昇した局面で、株に押し目買いを入れるときの財源にあてることができます。

確かに新興国債券ファンド単体での魅力は薄いですが、保有を検討する価値は、私は十分にあると思います。

kenz

>Kapokさん
おっしゃる通り実質コストは大変重要ですね。トラッキングエラーと合わせ比較する必要がありますね。

新興国債券については指摘いただいている分散効果、財源として私は先進国債券クラスにて代用しています。
単にコストが新興国債券は高いからだけで、私も分散効果を否定しているものではありません。
個人的には新興国債券を購入する分も新興国株式に充てています。