DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスファンドについて最低限知っておくべき3つのこと

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前回記事 そういえばDCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスファンドってどうなったの? の続きです。
DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスファンド 運用報告書(第一期) (PDF) を元に、実質コスト、売買高比率、トラッキングエラーを調べます。

Analyzing Financial Data / Dave Dugdale
費用明細(1万口当たり)
信託報酬額 84円
売買委託手数料 37円
有価証券取引税 11円
保管費用等 109円
合計 241円
信託報酬は0.756%なので、実質コスト(トータルコスト)は約2.17% (=0.756%×241/84)
売買高比率 = 期中の株式売買金額 / 期中の平均株式組入株式時価総額 = 1.72
今期騰落率は +14.3% (ベンチマーク +18.6%)
分配金0円。
これより、指数(FTSE RAFIエマージングインデックス)との乖離(トラッキングエラー)は -4.3%
DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスファンドの売買高比率が1.72と高く、1年で保有株式が2回分近く入れ替わる売買が繰り返されています。
当然、売買コストが頻繁にかかる分、リターンを押し下げることになります。
保管費用も信託報酬以上にかかっており、信託報酬が0.756%に対し、実質コストが2.17%と非常に高くなっています。
トラッキングエラーも-4.3%と酷い状況になっています。
ファンダメンタル・インデックスは、従来の時価総額型のインデックス運用と異なり、実質的にアクティブ運用となります。
バイアンドホールドを基本とする従来インデックスファンドと異なり、時価総額比で保有する場合よりも、各銘柄財務データに応じた頻繁なリバランスが必要となりコスト高となるのも問題です。
当然、管理・運営費用もアクティブファンド同様の費用がかかることが予想されます。
詳細は、インデックス投資のバイブル「ウォール街のランダム・ウォーカー」著者のマルキールさんのコラムをご覧ください。
バンガードコラム ファンダメンタル・インデックスの本質(パートン・マルキール)
低コストの時価総額加重インデックス・ファンドのほうが高い市場リターンを得られ、インデックスを装っているアクティブ運用の欠点を避けることができます。
私も時価総額型のインデックスファンドが最良とは考えていませんが、それを上回る改良型インデックスファンドの登場はなかなか難しいようです。
ファンダメンタル・インデックスについては情報入手しづらいのですが、今後も記事にしていきます。
ファンダメンタル・インデックスファンド(新興国株式)登場
各資産クラス毎の実質コスト最安インデックスファンドまとめ
[2012.08.13追記] 第2期運用報告書から各コストをまとめました。
DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックス 実質コストが1.46%に低下
[2012.08.16追記]
DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスとeMAXIS新興国株式インデックスのリターン比較
[2013.08.16追記]
第3期の運用報告書から実質コスト、トラッキングエラー等をチェックしました。
DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックス運用報告書
[2013.08.17追記]
DCダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックスのリターン確認
[2013.12.11追記]
ダイワ・インデックスセレクト新興国株式はファンダメンタルインデックス
[2014.08.24追記]
D-I’s インデックスシリーズ ファンダメンタルインデックス含む8ファンドまとめ
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