アクティブファンドの成績が低コストのインデックスファンドを上回るのは難しい

「市場平均狙うインデックス型投信 低コストで「勝率」高く」と題して、インデックスファンドのメリットを説明している日経記事がありましたので紹介します。
<最終更新日: 2023年1月31日>
リンク等修正しました。
市場平均狙うインデックス型投信 低コストで「勝率」高く | 日本経済新聞 ⇒(リンク切れ)
今年三月末での過去一年間の運用成績(ETFを除く)を調べたら、アクティブ型がインデックス型を上回ったのは三割前後にすぎなかった
アクティブファンドとインデックスファンドの運用成績の比較が具体的な統計データにてわかりやすく説明されています。
過去1年間でアクティブファンドがインデックスファンドの成績を上回ったのはわずか約30%とのこと。
過去1年間以外に、過去3年間、5年間それぞれのデータも掲載されています。
それを見ると、アクティブファンドがインデックスファンドの成績を上回ったのは1番高い数字でも過去5年間での約35%にとどまっています。
インデックス型は「市場平均」を追求するから、アクティブ型の勝率が五割なら、あまり意外感はない。
なぜ五割を下回るのか。問題はコストだ。アクティブ型は、運用の対価として投資家から取る手数料(信託報酬)が高い。平均すると、純資産総額に対する比率で年1.5%程度と、インデックス型の3倍近い。
アクティブ型ファンドの成績が悪いのはコストによると断言しています。
インデックス型に勝つ商品も3割前後あるわけだから、そちらを買った方がとくなのは事実だ。
問題はそれをうまく見つけられるかどうか。過去の成績をもとに選んでも、絶対に安心とは言えない。
典型的な例が昨年度の成績。好成績をあげてきたアクティブ型投信が、一転して苦戦を強いられた。
過去の成績からは勝ち組のアクティブ型を選べないとしています。
具体例として、日本株式アクティブファンドである「アクティブバリューオープン」がそれまで8決算期の間TOPIX(東証株価指数)を上回ったのに今期は下回ってしまったことが取り上げられています。
インデックス型を買おうと思ったときの注意点。販売会社は手数料を多く得られるアクティブ型を熱心にすすめるかもしれない。自分の希望を積極的に伝える方がいいだろう。
販売会社と個人との関係が利益相反することを明言しています。
販売側が売りたくないインデックスファンドこそ、投資家においしい商品なのです。
わかりやすい記事で参考になります。
既にインデックス投資の有利さについてご存じの方も読み直してみると、理解の整理もできます。
日経新聞の広告に、今までのようにぼったくり投信の宣伝が載らなくなってしまい日経が減収となることを少し危惧しますが、記者の方には今後もこのような良記事を期待しています。
低コストのインデックスファンドが、ほとんどのアクティブファンドより成績が良いことを取り上げた関連記事です。
チリのアクティブファンドの95%以上が指数を下回るリターンなのは高すぎる信託報酬が要因
米国株式アクティブファンドの9割が市場平均に劣るリターン 高いコストが足かせに
低コストなファンド保有は効率的市場かどうか無関係に有利
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