セミナー 「インデックスファンドで資産運用」 重要な9つの質疑応答

セミナー 「インデックスファンドで資産運用」 ポートフォリオを考える の続きです。
引き続き以下について、朝倉さんが質問し、カンさんと和泉さんが答えて行く形式でした。
- インデックスファンドとアクティブファンドのどちらを利用すべきか?
- 新興国株式は非効率なので、アクティブファンドにすべきという意見もあるが?
- インデックスファンドであればどれでも良いのか?
- 各資産クラスのファンドをアラカルトで買うのとバランスファンドを買うのとどちらがよいか?
- 通貨選択型やハイイールド債ファンドなど実は売却してリバランスしたい方はどうすればよいか?
- 毎月分配型ファンドについてどう考えるか?
- 相場が軟調な中、引き続き投資を楽しむ、継続するための心構えは?
- 個人に合ったアセットアロケーションの組み立て方をどこで学べばよいか?
- 最後に投資家の方が元気になるメッセージを。
・インデックスファンドで良い。売れないのはつまらないからだと思う。(カンさん)
・インデックスファンドで良いが、日本株式全体に期待できないので、TOPIXや日経225に連動するインデックスファンドには投資したくない。銘柄を選別すべき。(和泉さん)
日本株式全体に投資したくないのなら、日本株式を投資対象からはずすべきです。
なぜ和泉さんが選んだ銘柄なり、日本株式アクティブファンドが、インデックスファンドよりリターンが良いと思えるのか謎。ほとんどの場合、ただのオーバーコンフィデンスです。
期待される経済成長率が低いからといって株式投資期待リターンも低いとは限りません。
参考: 日経記事 インデックスがだめなら個別銘柄投資へに対する意見
アクティブ投信がインデックスに勝てない本当のワケ?
・新興国株式だからこそ、インデックスファンドに投資すべき。指数であるMSCIエマージング・マーケットの国別構成比率も構成国も年々見直しが入る。また銘柄も入替がある。インデックスファンドだからといってもアクティブファンドと同様にロマンがある。(カンさん)
よくある質問なのですが、市場が非効率だからといってもアクティブファンドが有利ではありません。
むしろ新興国市場だからこそ、売買コストもかかり流動性に問題があるため、インデックスファンドに比べ売買の多くなるアクティブファンドは不利となります。
市場の効率でも非効率でもインデックスファンドはその低コスト性のために有利なのです。
参考: 「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」感想
・低コストだけが重要ではなく、多少コストが高くても10年後も継続している運用のしっかりしたファンドを選ぶべき。(カンさん)
たしかに途中償還されないようなファンドを選ぶべきですが、その中では低コストが最重要であることに変わりはありません。
ここは本セミナーの協賛が三菱UFJ投信ということで、eMAXISインデックスファンドシリーズを推奨する必要があるという大人の事情をくんであげましょう。
参考: STAM、eMAXIS、CMAM、Funds-i 実質コスト比較表 (2011年11月更新版)
・リスク許容度や年齢など途中で配分比率を変えやすいのはアラカルト。面倒ならバランス型(カンさん)
・自分ならアラカルト。難しいという人はバランス型(和泉さん)
バランス型の比率で自分でぴったりくるのならバランス型でもよいですが、バラで購入する方がコストも抑えられます。
自分で資産配分比率を考えるから面白いのです。
参考: 目標資産配分比率(2011年4月)
・本来保有していたくないファンドは売却したいと思っても、人間はなかなか合理的に行動できない。
・売却ではなく、「引っ越し」と考えること。すこしづつ、例えば6カ月に6回に分けてタイミングを気にせず、売却したいファンドを売って、同日に買うべきファンドを購入すること。(カンさん)
・インデックスファンドには毎月分配型はない。
・運用効率を犠牲にしてまで分配金を貰うのは不合理。
・毎月定額を自動解約してくれる仕組みが証券会社に導入されれば、インデックスファンドで運用する方が得。(カンさん)
そもそも生活費として必要な分は安全資産として持つべきで、ファンドの分配金が必要となっている時点でおかしいのですが、たしかに毎月自動解約するサービスがあれば、コストの安いインデックスファンドで運用した方が有利です。
あと、毎月分配型のインデックスファンドは、三菱UFJ世界国債インデックスファンド(毎月分配型)のように複数存在します。
・将来の世界経済の発展を信じること。資金を世界中に出稼ぎに行かせていると思うことでわくわくする気持ちを持つこと。(和泉さん)
・長い時間軸で投資を考えること。今後近い将来には、MSCIフロンティアマーケット市場に投資するインデックスファンドも発売されると考えている。今回よりひどい相場下落は過去に何度も繰り返され、そして乗り越えてきた。短期の値動きではなくよりダイナミックなイメージを持つと良い。(カンさん)
参考: インデックス投資を理解するための6項目
インデックス投資を継続するための5つの心構え
・ネット上に無料ツールがあるのでいろいろ試してしっくりくるものを選べばよい。リスク許容度診断ツールもある。(和泉さん)
・どのようなポートフォリオであれ、①安全資産を必ず持ち、②株式だけでなく債券も持ち、③日本株式比率は一定以下に制限して世界全体に投資することが重要。やはりツールとしてはインデックスファンドが低コストで利用しやすい。(カンさん)
インデックス投資家のブログもたくさんあるので日頃から読んでおくと完璧です。
間違っても販売機関側のアドバイスを受けて妙な商品を購入してしまうカモネギにならないようにしましょう。
参考: 資産運用の前にやることチェックリスト (4項目)
・相場が下がったら喜んで買うくらいの気構えを持って投資していけば良い。(和泉さん)
・今日も皆さんは自分が豊かになるために一日仕事をしてからセミナーに参加されている。今後豊かになりたいと思う人が増えると思い、その豊かに向かって努力する人が増えると思うのであれば、ぜひリスクを取って投資すべき。(カンさん)
和泉さんとカンさんのポートフォリオやその考え方は、既に資産配分比率を決めて投資している人も参考になります。
本セミナーの模様は、後ほどモーニングスターのサイトに動画で視聴することができるようになるそうです。
興味のある方はぜひご覧ください。
[2012.01.19追記]
モーニングスター「インデックスファンドで資産運用」
資産運用はゴールの長いまだまだ続く長期投資です。
資本主義の継続を信じている方は、今の軟調相場をむしろチャンスととらえてリスク資産を購入していくのが良いと考えます。
モーニングスター新春セミナー インデックスファンドで資産運用
30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと(朝倉智也さん著)
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