2007年から始めたインデックス投資の記録です。投資信託やETFを使って低コストで日本、先進国、新興国株式への国際分散投資を行っています。2019年にアーリーリタイア(FIRE)しました。現在はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をメインに積立中です。

モーニングスター海外ETFセミナー第3部 投資家のETF活用術

CATEGORYセミナー
第3部パネルディスカッション「個人投資家のETF活用術を考える」

モーニングスター海外ETFセミナー 第1部基調講演のレポート
モーニングスター海外ETFセミナー第2部 ファンドの種類を整理
の続きです。

第3部は「個人投資家のETF活用術を考える」と題して、マネックス証券の広木 隆さんと楽天証券の新井 党さんのパネルディスカッションでした。



第3部 パネルディスカッション 「個人投資家のETF活用術を考える」

〈パネリスト〉 マネックス証券株式会社 チーフ・ストラテジスト 広木 隆 氏
        楽天証券株式会社 マーケティング本部副本部長 新井 党 氏

〈モデレーター〉モーニングスター株式会社 代表取締役社長 朝倉 智也氏


最近の海外ETFの売買高上位銘柄は?(朝倉さん)

楽天証券の場合、2009年4月~9月は、1位がiシェアーズ MSCI エマージング・マーケット・インデックス・ファンド (EEM)、2位が バンガード・MSCI・エマージング・マーケッツETF(VWO)

2012年4月~9月は、1位がSPDR GOLD Shares(GLD)、2位はVWO

低コストで投資できる新興国株式ETFが人気 (新井さん)



インデックス投資をどう思うか?(朝倉さん)

  • コスト高のアクティブファンドは低コストのインデックスファンドに勝つことは難しい。
    勝てるアクティブファンドを事前に選ぶことはできないことから、低コストの海外ETFを使ってインデックス投資を行うことは理にかなっている(新井さん)

  • 最近の研究では、時価総額比指数はリスクリターン比が優れているとは限らないと言われている。
    インデックスへの投資だけでなく、小型株や割安株にも投資することでリターンは指数を上回ることができる(広木氏)

  • 単純な時価総額比指数を上回る成績をめざして、過去にインテリジェントインデックス連動ファンドを作った。
    しかし運用成績が悪く途中償還されている。
    時価総額比指数連動に比べ、コストがかかりすぎたのが原因

    コストが低く、シンプルなインデックスファンドやETFがわかりやすく、ツールとして優れている。(新井氏)

  • コストは大変重要。バンガード社のようにアクティブファンドであっても十分低コストであれば価値があると思う。
    大事なことはアクティブかインデックスかではなく、コストが安いことが投資リターンに大きく影響を与える。

    株式や債券だけでなく、不動産、コモディティ、新興国小型株にもコストを抑えて投資できるのが海外ETFの魅力(朝倉さん)




個人投資家のETF利用方法は?(朝倉さん)

米国ではETFは短期売買が主流。ブルベア型、インバース型のETFの登場で韓国では残高が増大した(広木氏)

長期投資は、長期にホールドすることではない。
長期に運用を続けられるようにするのが真の長期投資。
ブルベア型やインバース型、VIX短期先物指数(1552) などのETFも活用することが進んだ投資である。(広木氏)




まとめ

低コストで投資ツールとして優れているETFは、販売側にとってはあまり購入されてもうれしくない商品である。
逆に、個人投資家には有利な商品であると言える。
ぜひ、みなさんもETFの活用を検討して欲しい(朝倉さん)




第3部 所感

個人投資家向けポートフォリオ例が説明されましたが、特に目新しい資産配分ではなく面白みに欠けました。

この第3部はとにかく数多くのETFを購入させ、短期売買させようとするポジショントークが目立ち、途中からあまり話を聞いていません。

「ブルベア型やインバース型、VIX短期先物指数(1552)を活用することが真の長期投資」というくだりは、正直なんだかなという印象でした。


「インデックスへの投資だけでなく、小型株や割安株にも投資することでリターンは指数を上回ることができる」
という主張についてですが、投資対象が異なるので同じ土俵でリターンを比べてはいけません。
インデックスファンドは、だからダメだとの理屈には繋がりませんので注意が必要です。

小型株効果を狙う手法もありですが、当然リスクも増大します。

小型株や割安株に投資したければ、それらのインデックスファンドに投資すれば良いだけです。
それらを対象にしたファンドのコストは高めになるのが一般的ですので小型株効果の恩恵を受けられるかは微妙です。



低コストが重要との朝倉さんの主張は完全同意

朝倉さんは第1部に続き、第3部でも繰り返し、低コストの重要性を主張されていました。
この点は完全同意です。

本セミナーでは、海外ETF1銘柄につきどのくらい手数料がかかるのかは全く語られることがありませんでした。
実際は手数料が一定額かかるため、まとまった金額(ざっと100万円以上)で購入しないと手数料負けします。

多数の銘柄をすこしずつ購入すると、楽天証券やマネックス証券に入る手数料は多くなります。
海外ETFの信託報酬の低さを打ち消してしまうことになりますので注意が必要です。


本セミナーでは朝倉さんの著書「低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー」をもらいました。
読みましたら、レビュー記事を書きます。




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 [2013.01.17追記] セミナー動画がUPされています。
 モーニングスターETFカンファレンス2012 セミナー動画が公開



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COMMENTS

2Comments

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タカちゃん

No title

これはファーマ=フレンチの3ファクターモデルの話ですね。
小型株リスクプレミアムを狙うのならば、例えば、SCHAがありコストは年0.10%です。
http://www.schwab.com/public/schwab/investing/accounts_products/investment/etfs/schwab_etfs
ここまでくれば、長期で運用する分にはコスト的には問題ないと思います。

割安株については市場によると見ています、例えば効率的とは言えない日本株では有効だと考えています。
割安株については、リスクプレミアムが付く理由があまりよく分かっていないようです。
市場によっては、グロース株と大差がない市場もあるそうです。

ファーマ=フレンチの3ファクターモデルも最近はこれにモメンタムを加えたモデルも登場しており、そのモデルを使った運用に合理性があるのかどうかは賛否両論で、運用者の考え次第になっています。
現実的にはファーマ=フレンチの3ファクターモデルを使った運用をする機関投資家が増えているそうです。
個人レベルでも使い易いモデルですが、現時点では海外のネット証券に口座が無いとツールが無い問題があります。

kenz

>タカちゃんさん
はい、ファーマ=フレンチの3ファクターモデルのお話しです。
それを実現するためのコストがまだかかりすぎます。

効率的でない市場=平均より上の成績を出せるわけではない のでオーバーコンフィデンスに陥らないよう注意が必要と考えています。